第51話
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るのはともかく、こんな所でしちゃダメでしょ!?ここは人通りも多いんだし、別の場所でやればいいじゃない!」
アッバスの説明を聞いて一瞬納得しかけたエステルだったが状況をすぐに思い出して、ヴァルド達を睨んで言った。
「ハッ、そんなのは俺らの勝手だ。しかしてめえ………遊撃士だか何だか知らねぇが随分と偉そうなクチを叩きやがるな。調子に乗ってんじゃねえのか、アア?」
「あのね………調子に乗ってるのはあなた達でしょ。あたしは常識的なことを言ってるだけじゃない。」
「このアマ………どうやら少しばかり痛い目に遭いたいらしいな?そこの黒髪の野郎と一緒に可愛がってやってもいいんだぜ……?」
エステルの言葉を聞いたヴァルドはエステルの正面に来て、睨んだ。
「う、うーん………ヨシュア、どうしよう?」
「まあ、周りの目もあるし。あまり大人気ない事はしない方がいいと思うけどね。」
「やっぱり?」
「てめえら………何ブツクサ言ってやがる!この”鬼砕き”のヴァルド・ヴァレス様が恐くねえのか!?」
エステルとヨシュアの会話を聞いていたヴァルドは2人を睨んで怒鳴ったその時
「―――やめときなよ、ヴァルド。そのお姉さん、武術込みだったらたぶん君より強いよ?」
ワジが3人に近づいてヴァルドに忠告した。
「なにぃ………!?」
「へえ、わかるんだ?」
忠告を聞いたヴァルドは驚き、エステルは不敵な笑みを浮かべてワジを見つめた。
「何となく、だけどね。そちらのお兄さんは実力的には更に上なのかな?」
「はは………総合的な戦闘力で言えば、エステルの方が上だけどね。」
そしてワジに視線を向けられたヨシュアは苦笑しながら答えた。
「むー………魔術やラピスやサティアさん達の力無しの状態でヨシュアの方が上っていうのは確かにそうなんだけど………決めつけられると、それはそれでちょっと納得行かないわねぇ。」
「まあまあ、遊撃士の仕事は何も戦闘だけじゃないんだし。」
「ククク………こんな小娘が俺より上だと?ハッ………だったら証明してみせろや!」
エステルとヨシュアの会話を聞いていたヴァルドは怒りの表情になった後、エステルの肩を掴んだ。
「エステル………」
「大丈夫、任せて………せーの!」
そしてヨシュアに見つめられたエステルは頷いた後、ヴァルドの腕を掴んで地面に叩きつけた!
「あ”………?」
地面に叩きつけられたヴァルドは呆けた様子で起き上がり
「ほら、言わんこっちゃない。」
ワジは呆れた表情で溜息を吐いた。
「ヴァ、ヴァルドさんが!?」
「な、なんだあの娘………!?」
「すごい………!」
「あれが遊撃士………!」
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