2巻
対勇者戦(2)
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ての仲間と言える奴らと戦わないで済む方法があればこんな事はなかった。だが俺達の敵となっちまったからには、全力で相手するってのが筋だ」
柚希も胡桃もボロボロとなっており、元仲間であっても敵と認識すれば一真も深雪も手加減などしない。理想だけで後悔するなら現実を見てからにすれば良いと思ったが、俺はクロックアップで壁側にいた二人を窓側まで投げ飛ばしてから胡桃が放つ圧縮した風の塊。だけどそれを剣で叩き斬った事で、胡桃の目では有り得ない現象へと劣ったようだ。
「え・・・・」
「胡桃!アレは一真の得意な無効化、すぐに態勢を整えないと私達はこのままだと落ちる!」
「おやおや・・・・己が解き放った風を消滅させた事に驚愕とは。まだまだのようだな」
窓側と壁側を交換した事で、窓側に立つ二人に向けて無効化を使った事なのか繰り出された斬撃に対して胡桃は障壁を張ろうとしても出来なかった。風の魔法だけでなく精霊とのチャンネルまでも無効化された事で、柚希と胡桃が纏っていた風が無くなり気付けば俺の剣が迫っていた。
「ぐぅっ!」
「がはっ!」
一瞬にして横薙ぎの斬撃を受けた柚希と胡桃は、事実として激痛ではなく宙を吹っ飛ぶ事で思い知った。飛ばされた先は一面の巨大ガラス窓、勢いが付いてる二人に受け止めるには余りにも頼りない代物。甲高い破砕音と共に、二人の身体がビル外へと投げ出されて精霊とのチャンネルを断たれた事で魔法も使えない。必然の落下でもあり、柚希と胡桃は互いの手を握る事しか出来ずに落下。
『相棒、このままだと落ちてしまうぞ』
「分かってるさ、胡桃は姉である柚希を思っての行動だった事もな。ずっと一緒に居て、柚希に辛い想いをさせた俺に対して五年と言う歳月で必死に強くなった。その想いを踏み躙った俺を許す事が出来なかった、胡桃が死んだら柚希は悲しむ事を知っていて仇打ちも出来ない」
『一真の旦那、そろそろ行動しないと落ちて死んじまうぞ』
「へいへい、そろそろ俺の正体をバラしても差ほど問題はないもんな」
一瞬にして6対12枚で金色の翼を展開したら、柚希と胡桃の元へと行く。胡桃もだが柚希も瞳を閉じ、俺との戦をしてほしくなくて五年の間に強くなった。努力の賜物と言うが、俺との殺し合いをして欲しくなかったと内心思っていただろう。
「・・・・えっ?」
「一真!?」
「そのままジッとしていろっ!」
不意に腕を掴んで二人の腰回りを両腕で抑えてから、強い口調で言われた事で動こうとした身体が止まったと同時に胡桃は一真の背中を見た。それは通常では有り得ないと思うが、現実には背中に生えた翼がある事で落下からゆっくりと地面へ降りた。
地面まで抱き締めていたが、着地と同時に離した事で尻餅をついた二人。こちらは無傷でありなが
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ