13話 楯無戦
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力は激減していることを表していた。
―――……チャンス! 一気に行けるところまで行け!
追撃するためにレール砲を展開して照準。
―――見事だったわ鬼一くん。まさかたった1回でも私に最強の防御をさせるなんてね。代表候補生でもそんなことは中々出来ないわよ。
「っ、はや!?」
レール砲で追撃しようとした瞬間、楯無は態勢を整えて鬼一に反撃を敢行。その戻りの早さに思わず驚愕。
夜叉と蒼流旋を駆使した近接戦。両者にとっては後退の出来ない戦いに発展する。両者にとってはそれぞれ大きな価値のある手札を場に晒したのだ。何がなんでも絶対防御を発動させなければ割に合わない。
鬼一は機動力と判断の早さと精度で肉薄。楯無は身体能力と積み上げてきた技術と歴戦の経験値で鬼一を迎え撃つ。
―――くっそ! 5分の状態での近接戦に後戻りかよ! この奇襲はもうこの後、いやこの試合で使うことは出来ない。貴重な攻撃の選択肢は減った以上は苦しくても絶対防御を発動させて一気にエネルギーを削りたい!
先手を取ることに成功したにも関わらず徐々に追い詰められる鬼一。
―――どうする!? この状況からこの人相手に勝てるのか!? 先輩はここからどうするつもりなんだ!? この展開からこの人はあくまでも動く気はないということか!?
ギリギリの状況で踏み止まっている鬼一に対して、楯無は余裕すらあった。
―――自分にとっての不利がある膠着状態が長くなって下手に押したり引いたりすることも出来ない状況が続くと、無意識の内に相手の行動に依存しちゃう。言い換えるとISはそれだけ孤独な戦いなんだよね。
鬼一くんだって孤独な戦いを何度も経験しているだろうけど、e-SportsとISの孤独感は似ているけどまた違うものよ。ある意味ではその差が如実に出ている試合ねこれは。
高速戦闘が続く中で鬼一は自分の失策を悟る。
手札を場に晒したが、それでも楯無の新しい情報で満足すべきだったのだ。欲を持ち絶対防御を発動させようとした段階で、この時点での鬼一の敗北は疑いようもなかった。
―――……はっ!?。
「ちぃ!」
弾かれたと思ったら目の前に楯無が躊躇いもなく踏み込んできていた。自分のミスで一気に劣勢に追い込まれてしまう。
―――くそ、どうする。いっそのことリスク無視の暴れでワンチャンスに賭けるか? だけど、この状況で失敗したらゲームセットに直結しかねない。
こんな形になってしまうと、もう戦術とか優位もへったくれもない。少しでも耐えるだけの展開だ!
変化が欲しい。そう鬼一は考える。だが選択肢が限られてくる高速戦闘の中で変化をつけることは熟練のIS操縦者でも困難。必然的に鬼一では行えるはずもない。
単純に
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