13話 楯無戦
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い詰める。鬼一がダメージを受ける事に、少しずつリスクを引き上げて攻めに転じていくのだった。
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全身から汗を流し、肩で息しながら鬼一は楯無を睨みつける。圧倒的な実力差に抗う気力はまだまだ残っている。
しかし、現実はあまりにも無情であった。
鬼神 残シールドエネルギー 73
霧纏の淑女 残シールドエネルギー 529
ここまで鬼一は絶対防御を4回も発動させられており、楯無は0回。楯無がシールドエネルギーは移動と序盤であったナノマシンを駆使した最大防御だけであった。
―――……もはや9割方詰みの状況……。どれだけの差があるのかも分からない、先輩の影を踏むことすら出来ない内容での決着……! しかも、ナノマシンを利用した攻撃を吐き出させることも出来ていない……!
だけど、ここまで戦ってきたことでこの人の攻めるべきポイントはハッキリしつつある。でも突破は出来ていない。それなら……ここまでの戦術にまた新しい要素を足して……!
近距離と中距離の間、はっきりしない、微妙な距離から鬼一は再び試合を展開する。スタートとゴールが間違っていない確信があるなら、その道中で間違っているのは疑いようもなかった。
―――距離を離すにしろ詰めるにしろ今まで単調過ぎた。だったらここに変化をつければこの人の意識を外すことが出来る……! 現に、咄嗟の思いつきでやった動きでこの人は対応が後手に回った。
変化があるときに先輩は無理してこないという情報があるから、それを主軸にして試合を組み立てるべきだったんだ……!
いくら駆け引きが出来る、読み合いが出来る距離だと言ってもそこで自分の武器がナマクラでは相手に通用するはずもなかった。それに気づくのに鬼一はここまで時間がかかってしまった。
―――単調な機動にもっとメリハリをつける。速度の最大と最低、そして距離! 最初は思いっきり遅くして柔らかく距離を詰める。
ここで先輩がもっとも警戒するのはこのまま距離を詰めてくることと、逆に一気に距離を離すこと!
一見先輩に対して意味が無いように見える、でも意味はある。僕が何らかの変化をつける時、この人は何らかの警戒心を見せてくるから。ここからしなくちゃいけないのはこの警戒心をどこで解すか。
鬼一が距離を詰めていく中で楯無は近距離戦をしたくないのか、蒼流旋とそのガトリングで鬼一を牽制する。ここまで数度に渡って楯無は近距離戦で鬼一にチャンスを作られていた。だが、それだけで楯無は鬼一をそこまで警戒することはない。なぜなら自分の『隙』を理解している以上、そこに罠を貼ることは容易だからだ。
だが、楯無は感覚的に鬼一に咎められそうなことを予感していた。ここまで貼っていた罠が全て機能しているなら勝敗は既につい
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