13話 楯無戦
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もなく完封されるかもしれない事実にだ。
自分の股下まで冷水が浸しているような恐怖。いつ、自分の口元にその冷水が上がってくるのか。それでも鬼一はその恐怖と真っ向から戦う。例え、その冷水が自分の口に入ってきても折れることは許されない。いや、許すわけにいかない。
そんなことすれば今日の勝敗どころか次すらもない。
それだけは絶対に受け入れるわけにはいかない。
奥歯が砕けんばかりに食いしばって鬼神を操る。
「―――っ!」
ここで鬼一は距離を取ろうとした。自分の考えが正解かどうか知るためにだ。
距離を取ろうとした瞬間、開戦当初から今に至るまで守備的な立ち回りをしていた楯無が前進してきた。
―――やっぱりそうするか!
右手に羅刹を呼び出し、ミサイルポッドと羅刹で迎撃行動に移る。
鬼一の迎撃行動に楯無は、鬼一の迎撃を読んでいたのか不気味な程に滑らかな動きで弾幕の雨を掻い潜っていく。その動きに鬼一は楯無との技量差を痛感した。少なくともこの戦いにおいてはどのような形であれ、技術勝負ではよほどの紛れがあっても勝利することは出来ないと判断。
蒼流旋による刺突を左手に持った夜叉で間一髪弾く。
だが戻りに関しては楯無の方が早い以上、追撃を敢行されれば鬼一に止める術はない。
故にそれよりも手前で鬼一は対応する。
レール砲が轟音を上げて発泡。
技術があろうがなかろうが近距離でのレール砲はほぼ不可避の代物。
しかし、その程度の攻撃を避けられないものに頂きに立つことなど到底出来ないのもまた事実。
楯無は蒼流旋を弾かれた勢いを利用してそのまま宙返り。レール砲の弾丸が回転している楯無の背中を掠めていく。
―――まだ遅いのか!
自分の対応が遅いことに気づいた鬼一は離脱を測る。同時に自分の考えを修正。楯無を対応するなら今よりももっと手前でなければ後手に回される。
宙返りしている楯無と視線が合う。
その視線に、鬼一は言いようもない危険性を察知。
まだ楯無の攻勢は終わっていないことを肌で感じ取った。
蒼流旋による薙ぎ払い。アクロバティックな動きの中に自分の攻撃を織り交ぜたそれに鬼一は防御するしか道が無かった。
派手な動きで分かりにくいが楯無は自分の優勢を活かして攻め込んできている。具体的なことを言えば鬼一は既に絶対防御を2回発動させられており、楯無は未だ1回も発動させられていない。エネルギー量に置き換えれば200以上の差がある。ISにもよるがシールドエネルギーの総量は600前後。つまり鬼一はすでに3分の1以上吐き出しているのだ。
楯無はこのエネルギー差を活かして現実的なラインで攻め立てる。ここでキモとなるのは楯無は逆襲される
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