機動戦艦ナデシコ
1375話
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理だな。正直なところを言わせて貰えば、木連における地球への条件という意味では、これでも随分と軽いものだと言える。中には地球が無条件降伏してくるまで徹底的に戦うべきだと言っている者も多いのだよ。そのような条件に比べれば、まだ受け入れ可能なものだと思うが?」
そう告げる草壁の言葉に冗談の類はない。
いや、それどころか、月臣が頷いている光景を見れば、確かにその言葉は真実なのだろうと理解出来る。
勿論月臣が木連全ての意見を司っているわけではないだろうが、良くも悪くも感情をストレートに出す男だ。
そして木連の人間の性格を考えれば、月臣の反応が一般的なものだと思っても決して間違いではない。
……白鳥の方は月臣程には表情を露わにしていないが、それでも表情の端々から草壁の言葉に同意しているのが窺える。
どうやら、木連の地球に対する恨み辛みというのは、俺が……そしてグリューノ達が予想していた以上に大きかったらしい。
「月の件については、こちらとしても可能でしょう。ですが、それ以外……特に火星の核や使者の暗殺といったことを公表してしまえば、地球では大きな騒ぎとなります。それこそ、木連が嘘を言っているとして敵意を増すだけになるかもしれませんが?」
「ほう? さすがに悪の地球だけあって、真実を公表されると困るから、それを隠蔽しようという訳か」
「そこまでは言いません。ですが、将来ならともかく今は無理かと。……20、いえ10年後の公表という事ではどうでしょう?」
「ミスマル提督!」
自分を余所に交渉をされているというのが許せなかったのか、それとも単純に地球にとって不利に過ぎると思ったのか。
ともあれ、グリューノがミスマルを叱責するような声を出す。
その気持ちは分からないでもない。
グリューノは、地球連合軍の総司令という立場だが、実際には連合政府をも思い通りに出来るだけの権力を持つ。
つまり、連合軍ではなく地球の総司令と表現してもいいような人物だ。
そんな人物が地球が不利になるような事実の公表を認められる訳もない。
だが、ミスマルはそんなグリューノへと落ち着かせるように口を開く。
「グリューノ司令、ここで少しでも話を詰めておかなければ、これからも戦争が続く事になります。そうなれば、我々の側が多くの被害を受ける事になるのですよ」
「そちらの軍人は状況を良く理解しているようで何よりだ。だが……生憎と、木連としては事実の公表を待つ事は出来ない。正直、今私が言った条件でもかなり譲歩しての結果なのだ。これ以上の譲歩はまず不可能だと思って頂きたい。悪の地球としては、この辺で事態の収拾を図った方がいいと思うが?」
「その、悪の地球という表現は出来れば止めて貰いたいのですが」
少し言いにくそうなミスマル。
そ
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