機動戦艦ナデシコ
1375話
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次の瞬間草壁の口から出た言葉により決定的となる。
「その後、火星に移住した我々の先祖に対して警告もなしで問答無用に核ミサイルを撃ち込んだ件もきちんと発表して自らの過ちを認める事」
あー……やっぱりそう来るよな。核ミサイルを撃ち込まれたというのは、それ程までに許しがたい事なのだろう。
最近でこそナデシコや木連の兵器によって重力波砲の類が広まってきたが、それまで最強の威力として兵器の頂点に君臨してきた核兵器というのは、それだけ大きな存在となっている。
同時に核兵器には放射能の問題もあって、どうしても拒絶反応を起こす者が多い。
それは、今になっても変わらないという事なのだろう。
事実、グリューノを始めとしてミスマルまでもが厳しい表情を浮かべているのだから。
「……それは、難しいと言わざるを得ない」
グリューノの口から押し出されるようにして呟かれたその言葉は、予想通りのものだった。
連合軍総司令官として、月の事はともかく、火星の核に関しては絶対に譲れないのだろう。
だが、草壁の言葉はまだ終わっていない。
グリューノの言葉をスルーして、和平の条件についての話を続ける。
「次に、木連が地球に送った使者を殺した事。これについてもきちんと公表し、自分達がどのような行為をしたのかを世間に知らしめる必要がある」
グリューノの表情が、核の時と合わせて更に一段険しくなる。
「それらの件と合わせ、連合軍や連合政府には統治能力が非常に怪しいと考えられる。よって、木連から監査を派遣し、それぞれの行動を常に監査する事とする。尚、この監査に関しては、取りあえず10年を目処にしており、それで連合軍と連合政府の行動が是正されたようであれば、監査の終わりとする」
「ふざけるなっ!」
拳を机へと叩きつけるグリューノだったが、まさかここまで高圧的な件を出してくるというのは俺も思っていなかった。
「最後に、これまで行ってきた木連への賠償金として日本円にて200兆円を要求する」
その言葉に、グリューノは既に声すら出さず、ただ草壁を睨み付ける。
草壁から出された条件の殆どは、まず呑む事が出来ない為だろう。
「落ち着いて下さい、総司令。この場はあくまでも会談の場。お互いの意見を話し合うべき場所です。ここでお互いに非難をしても、何も変わりません」
ミスマルがグリューノを落ち着かせるように告げるが、そのミスマルの表情もグリューノ同様に厳しいものがある。
ヨシサダや他の随員も、厳しい表情なのは変わらない。
草壁の出した条件というのは、それ程に厳しいものだった。
「……草壁中将、その条件はさすがにこちらも呑めません。どうにかもう少し受け入れやすいものにして頂く事は出来ませんかな」
「無
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