機動戦艦ナデシコ
1375話
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、他ならぬそちらだ。であれば、戦争の原因をこちらに擦り付けるのは盗っ人猛々しいと言うべきでは?」
「だが、今回の戦争でこちらが受けた被害は木星蜥蜴……いや、木連とは比べものにならない程に大きい」
「それが? 今も言ったが、そもそも戦争の原因を作ったのは、あくまでもそちらだ。そうであれば、被害が大きいというのも自業自得、それこそ天罰と呼ぶべきものだと思うが?」
ピクリ、と。草壁の話を聞いていたグリューノの額が微かに痙攣するのが見えた。
元々グリューノはそれ程我慢強い方じゃないしな。……だからこそ木連の使者の暗殺なんて真似をしたんだろうが。
いや、それとも実は暗殺を行ったのはグリューノの部下の独断専行なのか? ……あやか達に対して夜の接待を要求してくるようなのが上層部にいると考えれば、必ずしもそれは否定出来ないか。
うん? 夜の接待を要求してきたのは、連合政府の上層部だったか? それとも連合軍だったか……ともあれ、地球のお偉方だというのは間違いがない訳だが。
「ま、ま。お互い喧嘩腰にはならずに、その辺で。幸い、今回はこうして会談を行う事が出来た訳ですから。折角の機会を有効に使いましょう。何でも聞いた話によると、和平に関しての条件があるという話でしたが……その辺を詳しく聞かせて貰えないでしょうか?」
ミスマルの言葉に、グリューノと草壁が言い争いを一時中断する。
そして視線が集まったのを見て、ミスマルは小さく咳払いと共に再び口を開く。
「アクセル代表とシャドウミラーの協力によって得られたこの会談、お互いに色々と言いたい事があるのも分かりますが、建設的に行うべきでは? このままお互いの不満を口にするだけでは、意味がないでしょう」
「……そうだな。確かにこのまま地球側の言い訳を聞いているだけでは話が進まない。より建設的な話し合いをしたいというのは、こちらも賛成だ」
草壁の当て擦りのような言い方にグリューノが再びコメカミをヒクリとさせる。
だが、それでもここで何かを言い返せば話が拗れると思ったのか、頷くだけでミスマルの意見に同意する。
「それで、どうすれば和平を結ぶのか……その条件をお話いただけますかな」
ヨシサダの言葉に、一瞬草壁が俺の方へと視線を向ける。
何だ? 別に俺の方を見る必要はないと思うんだが。
そんな風に疑問を抱いていると、すぐに草壁は俺から視線を離してヨシサダの方へと……いや、グリューノの方へと向き直って口を開く。
「まず最初に要求するのは、100年前に月の独立運動の際に連合軍や連合政府の陰謀によって我々の祖先が月を追い出されたと公表する事」
まぁ、これは当然だろうな。今の木連が出来た原因の1つでもあるし。だが、それを言うという事は……
そんな俺の疑問は、
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