外伝〜叡智の契約〜(2章終了)
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「…………………わかりました。今、契約書を作成しますので、少々お待ち下さい………」
ルファディエルの説明を聞いたチキは考え込んだ後、ルファディエルを見つめて言った。
「あら、少しは渋ると思ったのですけど、意外ですね?」
チキの話を聞いたルファディエルは意外そうな表情で尋ね
「…………ルファディエル様がおっしゃった条件と銀の正体の情報と比べれば………安いぐらいですので……」
尋ねられたチキは静かな表情で答えた後、自分の机の引き出しの中にある紙を出して判を押し、ルファディエルの前に持ってきた。
「どうぞ……この契約書と……貴女が持ってきたという銀の正体の証拠と交換すれば………商談成立です………」
「………文章の内容を読ませてもらってもいいですか?」
「構いません………」
そしてルファディエルはチキが持ってきた契約書の文面を読んで、問題ないことを確認し、チキに導力ビデオとさらにリーシャと対峙した時、服の中に隠していた録音器を渡した。
「………まさか………アルカンシェルのリーシャ様が銀だったとは……………今後も何か新たな情報があったら……また、お訪ねください………」
ビデオの内容をその目で見て、さらに録音器に録画されていたリーシャとルファディエルの会話を聞いたチキは驚いた後、ルファディエルに会釈をした。
「ええ。……ああそれと一つ言い含めるのを忘れていました。今回の話はロイド達には黙っておいてくださいね?」
「かしこまりました…………」
その後ルファディエルは店を出た。
「クク……今度は何を企んでいるんだい?さっき支援課のビルに戻って端末で何かやった後こっちに来たようだけど………」
その時、エルンストが転移して現れて不敵な笑みを浮かべてルファディエルに尋ねた。
「………ラギール商会に渡す銀の正体の証拠のコピーをしていただけよ。」
「は………?……あっははは!こりゃ、傑作だ!天使ともあろう者がこうも早く契約を破るなんてね!」
ルファディエルの話を聞いたエルンストは一瞬呆けた後、不敵な笑みを浮かべて笑いながらルファディエルを見つめ
「あら。ラギール商会に話さないなんて私は口にしていないわ。………フフ、今回の脅迫状の事件のおかげで、情報を提供してくれる人との繋がりも手に入れたし、何より”黒月”の最大戦力を対峙しないようにできたのは大きな収穫ね。」
見つめられたルファディエルは意外そうな表情をした後、微笑んだ。
「ククク………よくもまあ、そこまで腹黒い事をして”墜ちない”ものだよ。」
ルファディエルの言葉を聞いたエルンストは口元に笑みを浮かべてルファディエルを見つめ
「………私は守るべき人達の為に行動しているだけ………
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