外伝〜叡智の契約〜(2章終了)
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でも、素直には喜べないよね………」
「ええ………傷は浅かったとはいえ、エリィさんのおじいさまが怪我をされたのですから………」
そしてセルゲイに言われたロイドは頷き、シャマーラは複雑そうな表情で呟き、シャマーラの言葉にエリナは静かに頷いた。
〜住宅街・マクダエル家〜
「そ、そんな………明日から復帰するなんてそんなの早すぎます………!」
一方その頃休暇をとって実家でヘンリーの看病をしていたエリィはヘンリーのある言葉を聞いて心配そうな表情でヘンリーを見つめて言った。
「なに、たかが掠り傷の上、傷自体もルファディエル警部の治癒魔術のお蔭で塞がっている。5日も休んでしまってむしろ英気が養えたくらいだよ。」
心配そうな表情で見つめるエリィにヘンリーは微笑みながら言った。
「じょ、冗談言わないでください!あれほどの事があって第一秘書がいなくなって………今はゆっくりとお休みになるべきです!」
「創立記念祭も近い。仕事は山のようにあるからね。この程度のことで市長としての役割を放棄できんさ。」
「この程度のことって……………おじいさまは………辛く………悔しくないんですか?あれだけ目をかけていたアーネストさんに裏切られて………それなのに、どうして………」
ヘンリーの話を聞いたエリィは信じられない様子で溜息を吐いた後、考え込み、辛そうな表情で尋ねた。
「………今回のことがショックで無かったといえば嘘になる。聞けば、随分前から事務所の資金を使い込んでいたようだ。それで精神的に追い詰められ、暴走してしまったのかもしれない。その意味では、気付いてやれなかった私の責任でもあると思っている。」
「…………おじいさま………」
「―――だが、私は政治家だ。この身をクロスベル自治州の現在と未来のために奉げると誓った。如何なることがあろうと職務を全うする以外の選択はない。そう、自分に課しているのだよ。」
「……………………」
決意の表情で語るヘンリーをエリィは黙って見つめ続けていた。
「すまない、エリィ。10年前も私は………ライアン君を、お前の父さんを引き止めてやれなかった。そして娘も………お前の母さんも去るがままにしてしまった。そして相変わらず……無力だが必要ではあるクロスベル市長を続けている。さぞ……イリーナ共々私を恨んでいることだろう。」
そしてヘンリーは辛そうな表情でエリィを見つめて話し
「そんな………!おじいさまは私達の誇りです!お父様達は不幸がありましたが……お姉様は今では幸せに生きています。それに……哀しかったけど………きちんと乗り越えています。」
「エリィ……」
「元々私が警察に入ったのは………別の形で、おじいさまの手伝いがしたかっ
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