第49話
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その後開幕した劇は何事もなく順調に進み、後半の初めが始まった。
〜アルカンシェル〜
「ふう……どうやらプレ公演は何とか乗り切れそうだな。」
「ええ、回ってみたところ不審な人も見かけなかったし。」
「ロイド様、エリィ様………!」
ロイドとエリィが出入り口付近で会話していると、劇場の支配人が慌てた様子で2人に近づいてきた。
「バルサモ支配人………」
「どうなさったんですか?」
「それが………少々、不審な動きをされているお客様がおりまして………しかも、招待客リストの中にはいらっしゃらなかったのですが………」
「え………!?」
「ど、何処にいたんですか!?」
支配人の話を聞いたロイドは驚き、エリィは表情を厳しくして尋ねた。
「右奥にある階段の上です。どうやらS席の様子をこっそり伺っているらしく……」
「わかりました………!すぐに確認してきます。」
「支配人はこちらで待機していてください!」
「は、はい……!」
支配人に指示をした2人は急いで右奥にある階段がある部屋に入って行った。
(な……!?)
(あの人は………!)
部屋に入った2人は階段の上でS席を伺っているある人物を見て驚いた。
「まったく、どうしてダドリーがこんな場所にいるんだか………!せっかくのスクープを前にお預けもいいところだわ………!かといってシャッターを切ったらあいつに気付かれそうだし………」
S席を伺っているある人物―――グレイスは悔しそうな表情をした後、溜息を吐いた。
「グレイスさん……!」
するとその時ロイドとエリィが走って近づいてきた。
「あらら………ロイド君!?エリィちゃんも………こんな所で何しているのよ?」
「それはこちらの台詞です………!」
「グレイスさん、どうしてここに?招待された訳ではありませんよね?」
「あはは………実はちょっと訳があって………裏技使って入っちゃったのよ。」
2人に尋ねられたグレイスは苦笑しながら答えた。
「う、裏技………?」
「んー、内緒にしてね?清掃業者の人達に紛れてコッソリと……って感じ?」
「ええっ!?」
「ど、どうしてそんな事を………」
グレイスの説明を聞いたロイドは驚き、エリィは表情を厳しくしてグレイスを見つめた。
「だってだって〜。ウチに来た取材用のチケット、他の記者に取られちゃったんだもん!プレ公演は見たかったし、他のネタを追ってる所だし、これは忍び込むしかないじゃない?」
「あ、あのですね……」
「……何て人騒がせな………」
理由を知った2人はそれぞれ呆れた。
「ほ、ほら、それよりも一緒にここか
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