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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
sts 27 「力と考え」
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は別にお前だけに言えることじゃない。俺にだって似たようなことが言える」

 スバルは俺の言葉に首を傾げるが、続きを聞けば理解できるだろうと思い気にせずに話を進める。

「俺には戦闘機人としての力はないが《魔法》っていう力がある」
「え、でも……」
「あぁ、スバルやティアナを含めて魔導師なら当たり前の力だ。けれど一般人からすれば恐怖の対象になりえる。それに仮の話としてだが想像してみろ……もしも俺が非殺傷設定を切って本気で攻撃してきたらお前らはどう思う?」
「それは……悲しいだとかそういうことを考える前に」
「うん……怖くて仕方がないと思う」

 魔法世界で過ごしていると常識や当たり前の力として魔力を持つ者達は忘れてしまいがちになるが、魔法という力も戦闘機人としての力と変わらない人を傷つけることが出来る。ふたりの表情を見る限り、きちんとそのことを再確認してくれたようだ。

「なら分かっただろう。スバル、お前の戦闘機人としての力も魔法だろうと所詮はただの力。扱い方次第ではあるが簡単に人を傷つける同じ力になる。だから戦闘機人としての力があるからってあれこれ考えるな」
「でも……それを抜いても」
「人工的な骨格や内臓を持っている人間は世の中に五万と居る。戦闘機人はその延長線上のような存在だ。何よりスバル、お前にはなのはへの憧れやティアナ達への信頼や思いやり、自分の体に対して思うところやそれに伴う気持ち……それらをひっくるめた自分の《意思》がちゃんとあるだろう?」

 人形だとか兵器だとか呼ばれる存在に自分の意思なんてものはありはしない。だからこそ生身の人間に対してでもそのような言葉は使われるんだ。
 なら逆説的に言ってしまえば自分の意思があるのならば機械の体を持っていようと、魔導師のサポートを目的として作られたデバイスだろうと人間と変わりはしないだろう。

「スバル、俺はお前と同じじゃないからお前が自分に対して思ってることを完璧に理解してやることは出来ない。でもこれだけは言ってやれる」

 俺はゆっくりとスバルに近づいてベッドに腰を下ろすと、彼女の頭にそっと右手を乗せる。そして、かつてはやてにしていたように優しく撫で始める。

「スバル……お前はティアナ達と何も変わらない。お前のことを戦闘機人だとか兵器だとか言う人間はいるかもしれないが、俺にとってお前は《スバル・ナカジマ》っていうひとりの人間だ」
「ぅ……ショウさん」
「泣きたいときは泣けばいいし、困ったことがあればいつでも相談に来ればいい。お前は知識が足りない部分もありはするが、明るくて元気な俺の大切な教え子のひとりなんだから」

 我慢の限界が来たのかスバルは、ティアナが居るにも関わらず俺の右肩にしがみつく形で泣き始める。そ
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