8部分:第八章
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第八章
「あたしがいるけれどいいかい?」
「じゃあここに俺を呼んだのは」
「そういうことさ。それじゃあ駄目かい?」
「バイクかよ。あんた乗れるんだな」
「かなり自信あるさ。好きだしね」
「よし、じゃあとりあえずはな」
蒼汰もだ。楽しげに笑ってだ。その振り向いた藍に告げた。
「今度の休み。何時だ?」
「金曜だよ」
「金曜にいいか?二人でな」
「バイクで走るんだね」
「ああ。それでいいか?」
「面白いね。じゃあそれでね」
藍も蒼汰の申し出を受けた。断る筈がなかった。
「楽しみにしておくよ」
「こっちこそな」
こうしてだ。二人はバイクからはじめたのだった。そしてその金曜の後でだ。
藍はまたしても控え室でだ。同僚達に笑顔で話すのだった。
「いいねえ、やっぱり」
「あっ、告白成功したんですか」
「上手くいったんですね」
「金曜に二人でバイクで走ってね」
そしてだというのだ。
「それでなんだよ」
「バイクですか。何かそれって藍さんらしいですね」
「それで決まるのって本当にですね」
「流石っていいますか」
「まさにそのままですね」
「ははは、そうだね」
藍自身もだ。笑ってそのことを認める。
この日も缶コーヒーを飲みながらだ。彼女達に話すのだった。
「あたしもそう思うよ」
「ですよね。屋上で告白されて」
「そうしてバイクですから」
「本当にらしいですよ」
「あたしもそう思うよ。それでもね」
どうかともだ。藍は自分から話す。
「悪い気はしないよ。むしろいい気分だね」
「そうですね。それじゃあですね」
「これからは」
「二人だよ。二人で楽しくやるよ」
「はい、頑張って下さいね」
「それじゃあ」
「あれだね」
また言う藍だった。
「やっぱり人間一人じゃ駄目だね」
「藍さんもですか」
「そうなんですか」
「そうだよ。あたしだって人間だよ」
まさにヤンキーだといってもだというのだ。
「だからだよ。二人一緒にいる方がいいんだよ」
「それも好きな相手とですね」
「御互い一緒にいることがですね」
「ああ、いいんだよ」6
笑顔で言う藍だった。そして実際にだ。
彼女は蒼汰とだ。ずっと二人で幸せにバイクを駆り幸せに過ごしたのだった。白衣の天使はバイクに乗るワルキューレでもあったのだ。
白衣の天使 完
2011・10・29
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