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ソードアート・オンライン 神速の人狼
ー騎士団会合ー
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、正直もったいないと思う。 なので、私は威勢良く手を挙げた。

「じゃ、私やる!」


* * *

ヒースクリフ率いる血盟騎士団との会談を終えた私とユーリは、予定通り街開きで賑わう75層をぶらついた後、昼食にキリトが教えてくれた隠れ家風NPCレストランへと足を運んでいた。 それは迷路のように入り組んだ隘路の先に、ぽつんと佇んでいた。
中に入ると、陽光を反射したステンドグラスが七色に輝き、外周部に沿うように作られたテラス席からは暖かな日差しが差し込んでいる。 総じてお洒落なカフェのような店に思わず心が弾んだ。
ほぼ貸し切り状態の中、テラス席を陣取ると少し遅めの昼食を取ることにした。

「……はむ!」

大きな口を開けてBLTサンドに(かぶ)りつくと、シャキッとしたレタスの瑞々しい食感と、ベーコンの肉汁とトマトの爽やかな酸味が口いっぱいに広がる。 なんとも幸せな感覚に浸りながら、もぐもぐと咀嚼していると既にデザートのイチゴパフェに手をつけていたユーリに声をかけられた。

「なぁ、シィ。 おまえなんでデュエル受けたんだ?」
はんとはく(なんとなく)?」
「もぐもぐしながら、話さない」
「ほわ〜い」


ジトっと目を細めたユーリに説教されてしまい、「あんたは私の親か!」と言うツッコミはパンとともに飲み込んでしまう。 アイスカフェオレをストローでズズズっと啜り、喉を潤すと改めてユーリの問いに答える。

「別にただなんとなくやりたいと思っただけだからね、他意はないよ」
「……戦闘狂(バトル・ジャンキー)め」

私にとってそれは褒め言葉なのだが、それを言葉にすれば人を小馬鹿にしたような眼差しが返ってくるので敢えて()しておく。 アイスクリームの山を食べ進めていたユーリがスプーンを口に咥えたまま、視線だけを私に向けると呟いた。

「そういえばさ、アスナとやるとしても勝算はあるのか」

そうデュエルの相手はヒースクリフではなく、アスナの方だ。 ヒースクリフはキリトと戦うというのもあるが、単純に私がアスナと一戦交えてみたかったというのが最大の理由だろう。 なお私とアスナの決闘はヒースクリフvsキリトの前に行われる。すなわち前座だ。 色々と思う事もあるが、まぁ良しとしよう。

さて、アスナへの勝算だったか。
幾つか策を講じるつもりだが、こればっかりは実際にやってみないとわからない。 だが、易々と負けてやるつもりは毛頭ない。 だから、私は胸を張って言ってやる。

「まぁ、なんとかなるでしょう!」

私がそう言うとユーリはあきれた様子でこめかみに手をやり、ため息を吐いた。

「なぜ誇らしげなんだ……この馬鹿」
「ポジティブシンキングと言って欲しいね!」
「うざったい……」

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