ー騎士団会合ー
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戦力は常にギリギリなのだよ。ーーーなのにキリトくん、君は我がギルドの貴重な、主力プレイヤーを引き抜こうというわけだ」
「……っ!」
開かれた真鍮色の瞳がキリトへと向けられる。 水を向けられたキリトはゴクリと息を飲み込み、ヒースクリフと向き合った。 だがそれを遮る声がある。
「待ってください、団長!確かにメールでは抜けますと言いましたが、 私は別にギルドを辞めたいわけじゃないんです! 少し……考える時間が欲しいだけで」
ヒースクリフはなおも言い募ろうとするアスナを一睨みしただけで黙らせるとヒースクリフは強い意思を滾らせた瞳でキリトを見据えた。
「わたしたちが今いるこの世界は剣の世界だ。 なら、欲しいものがあればそれはおのが力で、おのが剣で手に入れて然るべきだろう」
周りくどい言い方だが、理解したであろうキリトは力強い視線でヒースクリフを見据えている。
「欲しければ、剣でーーー〈二刀流〉で奪い給え。私と戦い、勝てばアスナくんを連れていくがいい。だが、負けたら君が血盟騎士団に入るのだ」
「…………」
キリトの返答を求め、注意が一斉に彼へと向けられる。 重苦しい沈黙の中、一歩前へと踏み出した。
「いいでしょう。剣で語れというのならば、望むところです。 デュエルで決着をつけましょう」
「君なら受けてくれると思っていたよ。……ところでユーリくん」
その言葉を受け、ヒースクリフはニヤリと笑みを浮かべた。 もしかしたらキリトにデュエルを持ちかけるのがヒースクリフの狙いだったのかもしれない。 だがキリトがデュエルを承諾させられた矢先、水を向けられたユーリはうへぇと露骨に嫌な顔を浮かべた。
「……なに?」
「なに、君とも是非一度剣を交えてみたくてね」
聖騎士などと謳われていてもやはり、この男もこの剣の世界に魅入られた極度のゲーマーなのかもしれない。 もしくはただのデュエル脳。 いずれにせよ、見かけの割に好戦的な性格なのかもしれない。
「ーー条件はキリトくんと同じだ。 君が勝てば、望むものを。 私が勝てば君をもらう。 悪くないと思うが……?」
如何かね? 意思を尊重するように、しかし承諾以外を許さないような声音でヒースクリフが訊ねる。 ユーリの返答に興味があるのか皆の視線が集まる。 ユーリははぁ〜と息を吐き肩の力を抜くとしっかりとヒースクリフを見据えてーー
「イヤだ、めんどくさい」
ーーキッパリと断った。
この状況下で、しかもヒースクリフに頼まれておいて断る奴はいないだろうと思っていたのか、皆声も出せず、唖然とした表情を浮かべていた。 しかし、断る理由がただめんどくさいから、というのも彼らしい。
だが、せっかくこのアインククラッドのトッププレイヤーとデュエル出来る機会なので
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