ー騎士団会合ー
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口を開いた。 なおキリトたちは彼らのやり取りにドン引きしたまま固まっておられる。
「で、なに? 今日俺らはこのためだけに呼ばれたのか」
これ以上は無駄と判断したのだろう。 強引に話題を本題へと持っていく。 それを聞き、ふむと頷いたヒースクリフは手を組みつつ答えた。
「なに、君らが我々のギルドに加わらないかと言うつもりだったのだがね」
「あいにく怪しい宗教とギルド勧誘はお断りっていうのがうちの家訓でしてね」
「そうか。 二人目、三人目のユニークスキル保持者が入ってくれれば戦力の増強もそうだが、話題性も十分だと思ったのだが残念で仕方ないよ」
そう言うヒースクリフがまったく残念そうではないのは、ここまで予想通りだったのだろうか。 ユーリは頭でも痛むのかこめかみに手を当てると重々しい息を吐いた。
「ハァ〜……なんとなくこんな流れになるだろうとは思ってたけどさ。 仮に俺らが血盟騎士団に入ったとしても、大して旨みがないんだよ」
「ほぅ。 一応ギルドボーナスとしてステータスに上昇補正がかかる。集団で行動すれば、不測の事態にも対応できると思うが……それでもダメなのかね」
ユーリの言葉に興味を持ったのかヒースクリフは視線で先を促す。
「それは確かにプラスだけど。 ソロやコンビプレーでやり慣れてる側としては慣れてないチームプレーは自由に動けない分、枷になる。そもそも、そこの集団不適合者がギルドに馴染めるわけないだろ」
「……ぐはっ」
さりげなくキリトにダメージを与える手腕にさすがとしか言いようがない。 だがユーリの説明はまだ終わりではないらしく淡々と語っていく。
「それに今でこそ、血盟騎士団と聖龍連合の実力は同等だからいいけど、ユニークスキルなんてチート紛いが片方に集まってみろ。 もう片方からしてみれば、拮抗していた戦力に差が生まれ、それが妬み嫉みの原因になる。 最悪攻略に支障をきたすぞ」
「確かにそうかもしれないな……」
少し語調を強めるユーリに対して、眉を伏せたヒースクリフが相槌を打った。団長様も思うところがあるのだろう。 まだ攻略済み層が一桁だった時は二つのギルド間でのいざこざが絶えなかったらしい。 挙句の果てに、ボス討伐の際に得られる莫大なリソースを独占するために片方のギルドがもう片方を出し抜いて単独でボス戦を行おうとした事例もあるらしい。 もっともそれは未遂に終わったらしいが。
今でこそそんな馬鹿げた真似ーー軍は除くーーはしないものの、一歩間違えば過去のような事態を起こしかねない。 まぁ、ユーリはそんなことを心配しているというより、いざこざに巻き込まれたくないだけだと思うが。
「確かに今、攻略組の間に不和を生むわけにはいかない。 だが、ユーリくん。君が思っているよりも我々の
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