第111話 少年達は前に進めないようです
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そんな事に構っていられるかと"大魔導士"に詰め寄る。
「ってこたぁオッサンらが下の装置を起動してくれりゃすぐ帰れるんか!?」
「ひっ!?い、一応は、多分……何処も壊れてませんしぃ。」
「こらこらコタ、女性に詰め寄るものではないでござるよ。それは彼らに任せると
決めたろう。」
「でもここで待つだけなのぉ!?ぶっちゃけ怖いんだけど!」
元の世界に戻れる、ほぼ確実な可能性が目の前に現れた事でタガが外れ、騒々しく
騒ぎ出す。早く帰りたいという本心の顕れを苦々しく思いながら、収拾にかかろうと
するネギと千雨だが、その二人が装置の方を見たと同時、パシュッと軽い音と共に
幾数の金と数十の影が現れた。
「なんじゃお主ら、まだこんな所におったのか?」
「むー、愁磨はまだ戻っておらんのか。仕方あるまい、救助者は任せたぞ。」
「御意。」
呆れたように言うアリカとテオは引き連れていた、黒ローブ改めデーチモに救助者を
預ける。
再度敵の首魁との遭遇に構えたネギ達だが、僅かとは言え愁磨達同様に隙だらけに
見えた二人に違和感を覚える。
愁磨達であれば実力的に納得出来たが、王皇族特有の固有能力を持っているとは
言え、この距離と実力・人数差には見合わない余裕なのだ。
「では着いて来るが良い、ゲートポートまで案内してやる。」
「…………おいどうする、偽物っぽいぞこれ。」
「で、でも術式は確実に長距離転移術式なんだけどぉ……。」
「偽物って事は無いでしょう、現に転移して来た訳ですし。」
サラッと告げられたネギ達は顔を付き合わせて罠かとまた疑い始めるが、直ぐに
アリカが答える。
「愁磨に言われたのじゃ。私達"魔法組"と主らが会ったのならゲートポートへ。
"物理組"と会ったら軽く捻ってゲートポートへ。
もしも"絶対殺すマン組"と当たったなら――と、これは良いか。
それはこの世界内にしかワープ出来ん"中距離用"じゃ。早う着いて来んと時間が
勿体無いぞ。」
「明らかに目的が違う人達がいたんですが……。」
不穏な事を言うと、テオと連れ立って反対側の出入り口へ姿を消す。
疑いは晴れないが、愁磨がゲーム程度ではあるが態々条件を付けてまで、自らの家族に
案内をさせるのだ。
ここは黙って従うしかないと、前衛にジオン、後衛にジルダリアとエ―リアスを置き、
暫く大きく螺旋を描く廊下を無言で上って行く。
「そう言えばお主らとは初めましてじゃな、"大魔導士"。」
「……は、挨拶が遅れ申し訳ございません王女。」
「よいよい、今となっては敵同士じゃ。
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