第111話 少年達は前に進めないようです
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た程度。だが"剣士"としてならば、松永は
本田忠勝すら凌ぐ"最優"であったと、愁磨は評価していた。それと、剣のみの勝負。
「それじゃぁ……行ってみるか。」
「何時でも良いよ。」
「……………………………――ッシ!!」
瞬動に加え、神速の抜刀。反応すら許さない筈の初撃を―――
ザンッ
「ゴッふ…、マジ……か………。」
「謙信公を超える速度とは言え、直線ではね。」
易々と迎撃され、愁磨は血の海に一度目を沈みながら思った。『予想外に強すぎ・・・』、と。
そして、愁磨達が居なくなった宮殿内。
「松永、まさか本当にあの三人と!?」
「……行きましょう先生。時間稼ぎが長いにしろ短いにしろ、急ぐに越した事はありません。
爆発好きが自爆しただけとなれば犬死ですから。」
「む、無駄にキッツイけどその通りや。はよ行くで、ネギ!」
ドン引く程の刹那の辛辣さに、全員が松永への同情を覚えるが、時間的な余裕が無い事でそれを
無視し、それぞれ次の動きに入る。
「じゃあ打ち合わせ通り上と下、二手に別れます!皆さんご無事で!」
「へっ、お前らもな!戦力が集中してるとすりゃ上だ。精々命を惜しめ!」
「楽な方に行きたいねぇ……遅れんなよ、お前ら!」
ドゥッ!
「っちょ、早っ!」
最後になるかもしれない別れをあっさり済ませ飛び出した"大魔導士"三人に連れられ、未だ翻弄
されている明日菜達生徒は気も漫ろに宮殿を駆けて行く。用心として索敵魔法を使いながら先導する
"大魔導士"三人だが、宮殿内のあまりの静かさに愁磨の為人が本物か罠かを疑うが、どうせ前者か、
とアイコンタクトで示し合わせて諦め、詠唱短縮魔法に切り替える。それに合わせネギも遅延詠唱を
補助から攻撃魔法へ切り替え――
「止まれ!!」
「っとと!?」
不意に停止を言い渡され、慌てて遅延しかけていた魔法を制御しやすい『固定』にする。
"大魔導士"の背後から先を覗くと、巨大な祭壇を抱く広間となっていた。
球体の室内に入口が二つ、そこから中央に向かって空中床が伸び逆円錐型の祭壇に
繋がっており、四方に赤青白黒の鳥居の様なオブジェが屹立し、その中心には魔法陣が
描かれている。全員を待機させジオンとエ―リアスが魔法陣を調べに行ったが鬼の
ような形相で戻り、小声で叫んだ。
「やべぇよ、どうする!?」
「ど、どうしたんですか!?」
「げ、ゲートポートです!最上階にある筈のゲートポートですよあれ!」
『『『えぇええっ!?』』』
予想外過ぎる、まさかの問題解決に明日菜達が潜めていた声を上げてしまうが、
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