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少年は魔人になるようです
第111話 少年達は前に進めないようです
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て松永が前に出る。


「ネギ君、君は先程『この世界を救う』と言ったが、代替案はあるのかね?」

「………確定では、ありませんが。」

「案はある、と。ではどの道、時間が増えた分君は小躍りすると言う訳か。」

「踊りませんよ!?その通りですが、目の前の鬼門が問題です。」

「ふむ、ならばその鬼は我輩が任されよう。」

「………………はい?」


こんな時にまで冗談か――とネギは文句を言いかけるが、松永が愁磨達しか

見ていない事に気付き口を噤む。"狂人"は満足気に頷くと、愛刀を抜き放つ。


「では共に踊って頂けるかな、お三方。」

「狂人とは思っていたけれど、こう言うしかないわね。……久秀、気でも狂ったの?」

「ふむ、では有言実行と行こう。――"天我縛鎖"。」


大仰な振る舞いで抜いた"羅刹九星"で、コンと軽く地面を打った、瞬間。魔力の発露も

無しに空間が愁磨達三人と松永を喰らった。

捻じれた空間が徐々に形を取り戻して行くと、見えて来るのは宮殿とはまるで違う、

赤の世界。

更に形を成して行くのは襖や畳、精巧な作りの欄間、そして炉・・・嘗ての松永の

居城、その一室が15m四方程に拡がった空間に変化した。


「固有結界とはお前らしくない能力だな。だがまさか、より上位の固有結界を持って

すれば破れる、と言う事を忘れてはいないだろ?」

「フフフ、幾ら君らとて、我輩のこの"天我縛鎖"から逃れる事は出来んよ。

なんせこの空間では魔力や気、神力までもが封じられるのだからね。」

「ほう……?」


感嘆と共に愁磨は"うんめいのうつくしきせかい"を展開しようとするが、松永の言う

通り、自身から魔力、その他の力が感じられない事を悟る。

派手さを好む松永らしくない、地味で強力な"結界"。

しかしそれを造るには、見合う解除条件と制約を設定しなければならないのだ。


「なぁに簡単な事だ。この空間に取り込まれた者は我輩と何度でも仕合い、

勝利すれば出られる。

ただそれだけの"結界"である。先に言った通り、純粋な剣の勝負で、ね。」

「冗談キッツイなぁオイ。相手によらなくても大抵詰むだろうよ。」


剣と剣の仕合。それだけならばこの三人に負けは無かっただろう。しかしそこに"のみ"と付いて

しまえば話は別だ。あらゆる剣技を使える愁磨、対剣戦闘を幾億と熟したノワールと言えども、

やはりそれを発揮するには強化と、何より"力"で技を顕現させなければならない。それでも達人の

域には達する二人だが、相手が"松永久秀"ともなればやはり足りないのだ。

戦国時代に於いて"最強"であれば松永は中堅から頭一つ出
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