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少年は魔人になるようです
第111話 少年達は前に進めないようです
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からえ。」


相手の緊迫した空気を感じているのかいないのか、自己紹介を促したノワールだったが、

"大魔導士"三人を見て唸る。

初代、嘗て自分達と友であった彼等とは似ても似つかない三人ではあるが、自分でさえ

一目でそれぞれの特徴を薄っすらと見て取れる彼等と、愁磨が出会ってしまったらと、

幾ら頭を悩ませてもどうしようもない事実。

しかし最後は『なるようになれ』になってしまうのだが。


「困ったわねぇ……シュウとツェラちゃんから言われて、私もアリアもこの中だと

かなーり力抑えないといけないのよねぇ。」

「おや、ノワールさんらしくないですね。流石に私達全員を相手にするのはつらいと?」

「・・・・出せるだけの本気、全部出すの、エレガントじゃない。・・・だよね?」

「ふふふ、アリアは良く分かってるわね。」

「だろうなー……あぁ、チクショウ。」


現在、計画に使われる繊細な"魔法"の術式が魔法世界全土を覆い、それが集約されているのがここ、

墓守人の宮殿だ。魔法や気の攻撃は余程の攻撃に使わない限り――つまりこの二人が該当する――

問題無いが、ノワールやアリアの使う"神気"はその術式を僅かに狂わせてしまう為それも使えない。

そんな事をラカン達は知る由も無いが、相手が十分に力を出せない状況を楽観視はしていない。

実力に差はあるも二十四人に対し、たった二人と言う絶望的な状況にも拘わらずいつもと変わらない

調子で話されては動けない。


「おろ?なんだ、まだ始めてなかったのか。」

「あらシュウ、早かったのね。」

「しゅ、愁磨さん……!?」


そして、そこへ愁磨が合流した。驚きの余りネギだけが叫びを上げたものの、その場の全員が

同じ危機を抱いた。『最悪だ』、と。


「もう良いデーチモ、いつまで転がっているつもりだ?下がれ。」

『『ハ、申し訳ございません猊下。』』

「ぬぁ……っ!?」


愁磨がそう言うと倒れていた三人がムクリと起き上がり、揺らめいたかと思うと、デュナミスと

ヴァナミスの姿がデーチモに成り代わり、何事も無かったかのように姿を消した。


「さて、これで邪魔も居なくなった訳だし、思い切り、やれる……な………。」


それと同時に魔力を放出し始めた愁磨であったが、その動きがピタリと止まり、ノワールが頭を

抱える。正にそれは、先日心配していた事であり――


「ジオ、ン……、ジル、エイル………。」

「お、おお、え、何コレ?」

「し、ししし知らないわよ!?」


"大魔導士"三人を、子孫を見た瞬間思い出が蘇り、大粒の涙をボロボロと零す。

初代が書いた書物が
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