第180話 曹孟徳との再会
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が強行軍にて車騎将軍に合流すると言われ、このような仕儀になってしまいました。遅ればせながら申し訳ございませんでした」
袁遺は正宗と初対面ということもあり、正宗に対して畏まった態度で挨拶を終えると、これまでの事情を話し謝罪してきた。華琳は強行軍で正宗達に合流しようとしたことは、絶対に正宗に会う必要があったのだろう。そのことに朱里、冥琳、桂花は気づいていたのか警戒するような目つきで華琳の使者を名乗る者を見ていた。使者は秋蘭だった。
「車騎将軍、曹陳留国相の使者として参りました。曹陳留国相家臣・夏侯妙才と申します」
秋蘭は顔を下げ笑顔で挨拶した。彼女の表情から友好的な空気が感じられた。こちらに向かう華琳の思惑は正宗を敵視したものでないことは周囲の者達にも理解できたが強行軍までして駆けつけた理由が気になった。
「秋蘭、久し振りだな」
正宗は久方振りに旧知の相手に再会でき公的な会見であることも忘れ、秋蘭のことを真名で呼んだ。
「正宗様、お変わりないようで」
正宗の態度に秋蘭も自ずと微笑んていた。
「秋蘭、以前にも増して美人になったようだな」
「正宗様もお口が上手になられたご様子ですね」
秋蘭は口元に手をやりクスクスと笑いながら正宗に言った。
「久々に会えたのでつい嬉しくてな。ところで。夏侯妙才、曹孟徳は軍勢を率いてこちらに向かっている理由を教えてもらえるか?」
正宗は和やかな空気から一変して、神妙な表情で秋蘭に質問した。秋蘭も使者として身を正して拱手した。
「我が主・曹孟徳は車騎将軍の上洛に協力したいと申しております。こちらが文にございます。お受け取りください」
秋蘭は言い終わると懐から畳んだ絹を正宗に差し出した。それを朱里が受け取り正宗に手渡した。正宗は華琳からの文に目を通した。文の内容は要約すると「正宗の傘下に加わらせて欲しい。私と春蘭と秋蘭、兵は好きに使って貰って構わない。ただし、傘下に加わるにつき条件がある」と書かれていた。
「!?」
正宗は目を向き文の内容を二度見していた。その様子に麗羽達正宗陣営の者達は訝しんでいた。
「夏侯妙才、夏侯元譲も来ているのか?」
「はい。主・曹孟徳と一緒に軍勢を率いています」
秋蘭はすがすがしい顔で正宗に答えた。嘘偽りを言っているようには見えなかった。
「わざわざ?州から曹孟徳殿自ら兵を率い出向いてくるとはな」
正宗は驚いた顔で文を麗羽に手渡した。麗羽が読み終わると、他の者達にも順に文が回された。
「夏侯妙才、曹孟徳殿の助勢感謝すると伝えて欲しい」
「主も車騎将軍の返事に喜ぶことと存じます」
「夏侯妙才、曹孟徳殿の望みは何だ?」
正宗は単刀直入に秋蘭に聞いた。
「主に直
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