第180話 曹孟徳との再会
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踏んでいるのでしょう」
「正規の手順を踏んでいていても、あの規模なら連絡があって然るべきと思います。連絡が来ていない段階で問題です」
麗羽の意見に朱里は苦言を呈した。冥琳も同意見なのか頷いていた。
「そうですわね。でも、曹孟徳さんは正宗様の敵でない気がしますの」
麗羽は困った表情で前方を見つめた。
「麗羽様、『兵は詭道なり』と申します。用心に超したことはありません」
「確かに今回の上洛はきな臭いことになりそうですものね。桂花さん、私の浅慮でしたわ。皆さん、ごめんなさい」
麗羽は素直に皆に謝罪した。
「麗羽様、頭をお上げください」
朱里と桂花が慌てて麗羽に言った。
「麗羽様のご意見は貴重です。これからも意見されてください。我々は人を疑うことが仕事のようなものです」
冥琳は優しく微笑み麗羽に言った。麗羽は彼女達の気遣いを嬉しく思ったのか笑みを浮かべた。
「麗羽、冥琳の言うことは本当のことだ。お互い役割がある。君主が猜疑心強すぎては国も人心も疲弊してしまう。それを補佐するために軍師や参謀がいるのだ」
正宗は麗羽に言った。
「正宗様、分かりましたわ。私も美羽さんに負けてはいられませんわ!」
麗羽は美羽の統治者の姿勢に触発されたのかやる気に満ちていた。
「車騎将軍、使者が参りました!」
正宗達が和やかなムードになっているところに慌てた様子で騎兵がかけてきた。
「使者は誰だ?」
「袁本初様の従姉・袁伯業様と曹陳留国相家臣・夏侯妙才様と名乗っております」
騎兵は正宗に問われ報告した。正宗と麗羽は聞いた名前に同時に反応した。
「袁伯業さんが先導していましたのね。なら納得ですわね」
袁伯業。袁遺といい。麗羽とは従姉妹の仲だ。麗羽は袁遺との旧知の仲なのか懐かしそうな様子だった。彼女の雰囲気から袁遺とは親しい間柄のようだ。
「皆、取りあえず戦闘になることはないようだな」
冥琳、朱里、桂花は皆一様に頷いた。
「直ぐに会いたい。使者達を通してくれ」
「正宗様、私は面会を行う天幕を直ぐに用意いたします」
冥琳は正宗に一言告げると馬を走らせ去っていった。
正宗は冥琳が用意した天幕に入った。この天幕には正宗、麗羽、冥琳、朱里、桂花、泉がいた。正宗は天幕の一番奥に用意された椅子に腰をかけた。すると遅れて使者が天幕に入ってきた。彼女達は正宗の御前で片膝を着き頭を下げ拱手した。
「車騎将軍、拝謁の栄誉を賜り感謝いたします。私は袁伯業と申します。本日は曹陳留国相の使者を連れて参りました」
「袁伯業殿、態々手間をかけ済まなかった」
「勿体ないお言葉にございます。本来ならば早馬を出すべき所でしたが、曹陳留国相
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