ドラゴンとその子たち
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ふざけんなよこんな時に」
イグニールから報酬をもらうために、あくまで一人での仕事を続行しようとするナツ。それを聞いたグラシアンは頭を掻き、ローグは掴みかかろうとしていたが、スティングが間に入りそれを制する。
「じゃあこうしようぜ。俺たち三大竜とナツさん、どっちが先にあいつを倒すか、勝負だ」
「何!?」
爽やかな笑顔でとんでもないことを言ってきたスティングに、ナツは驚愕しその身を震わせる。
「うぐぐぐぐ・・・先にはやらせねぇ。やらせねぇぞ!!」
彼らとの勝負とあって気合いが入ったナツは、遥か上方で自分たちを見下ろすマルド・ギール目掛けてジャンプする。それを見てスティングたち三大竜も彼の後を追うように飛び立つ。
「こういっておけば共闘できる」
「やれやれ」
「面倒くせぇ奴」
スティングの狙いは競争に見せた共闘。ナツの負けん気の強さを生かし、自分たちが彼に合わせて戦おうと考えたのだった。
そんなことなど知りもしないナツは三大竜よりも先に地上に到達すると、マルド・ギール目掛けて火竜の鉄拳を降り下ろす。しかし、彼のその攻撃は表情一つ変えることができずに回避されてしまった。
「うおおおおおおお!!」
それでも諦めずにナツは再度鉄拳を放とうとする。マルド・ギールはそれに対し、チョップでナツを押し飛ばす。
「うおおや!!」
続けてスティングが光を纏いし拳を繰り出すが、あっさりとはね除けられていた。
「「はああああああ!!」」
二人の攻撃を凌いだマルド・ギール。そんな彼に、影竜と幻竜が挑む。
「甘い」
「「ぐっ!!」
ローグの鉄拳もグラシアンのフェイントを織り混ぜた蹴りも難なく打ち返したマルド・ギール。その二人の後ろから、ナツが炎の蹴りをぶちこむ。
「オラッ!!」
「!!」
ナツが来ていたことに気づかなかった彼は、顔面に彼の攻撃を受けて怯む。
「オラッ!!」
重心が後ろに傾いた冥府の王。その土手腹にローグが拳を入れる。
「ふっ!!」
「っ!!」
連続攻撃を浴び地面を足で削りながら飛ばされていく黒髪の悪魔に、幻竜が低い姿勢から蹴りを入れ、高々と打ち上げる。
「うおおおおおおお!!」
空中で逃げ場を失ったマルド・ギールに、目映い白き光を操る竜が、体を回転させながら彼の体を撃ち抜く。
一切の猶予も与えぬ竜の子たちの猛攻に手を出すことすら許されなかった悪魔は、壁を破りながら飛ばされていく。
「空にドラゴンが二頭、目の前にドラゴンの子が四人・・・まだいる可能性もあるなぁ」
黒い煙に覆われている中から、冷静に状況分析をしている声が聞こえてくる。煙が晴れると、四人の攻撃をまともに喰らったはずの悪魔が、まるで何事もなかったか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ