ドラゴンとその子たち
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第三者side
シリルとグレイがナツの元に、ウェンディとカミューニがウォーレンの元へとそれぞれ向かっていた頃、イグニールに仕事を依頼されたナツはそれを遂行するためにマルド・ギールと戦闘を繰り広げていた。
「あまり調子に乗られるのも気に食わんな、人間よ」
マルド・ギールは迫ってくるナツを不機嫌そうな目で見据えると、本を抱える手とは逆の方で魔法陣を作り出し、大爆発を起こす。
「マルド・ギールが邪魔だと思っているのはドラゴン。お前ではない」
光る魔法陣を展開させナツを向かって来れないようにしているマルド・ギール。しかし、この男はそんなもので止まるはずもなく、魔法を正面突破してマルド・ギールに迫り来る。
「火竜の・・・鉤爪!!」
オーバーヘッドキックのようにマルド・ギールの頭上から炎を纏いし右足を振り翳すナツ。しかしその攻撃を敵は片手で容易くキャッチしてしまった。
「そしてお前はドラゴンではない」
マルド・ギールは冷たくそう言い放つと、ナツを呪力を帯びた腕ではたき、床へと叩きつける。
「うわああああああ!!」
床に叩きつけられたナツ。彼はマルド・ギールの力によって叩き落とされたせいでそれを突き破り、どこまでも続いていくような地下へと落下していく。
「ナツ!!」
姿が見えなくなった息子を見て心配しているイグニール。しかし、そんな彼に向き合うアクノロギアは容赦することなく、ブレスを発射していた。
「くっ!!」
敵の魔法を間一髪で回避したイグニール。当たる対象を通り過ぎたブレスは、遥か彼方、地平線の向こうへと消えていった。
「まだドラゴンが生きていたとは・・・不快」
今まで人間の言葉を話すことが一切なかったアクノロギア。だが彼は、イグニールという強敵を前に、閉ざされていたその口をようやく開いたのであった。
「ほう、やっと口を利いたかアクノロギア」
「貴様を我が敵と認識。滅竜する」
スイッチを入れ、全力での戦いへと移行するアクノロギアとイグニール。どちらが勝つのか、それは魔導士たちにも予想することはできなかった。
「うわああああああ!!」
悲鳴をあげながら止まることなく穴の空いた床を落ち続ける火竜。その姿を、マルド・ギールは一番上の階層から見下ろしている。
「消えよ、ドラゴンの子よ。荊」
小さくなっていくナツに手のひらを向けたマルド・ギール。その手を向けられた青年に、無数の荊が伸びていく。
「なっ・・・」
次から次へと、四方八方から自らを貫こうとする荊の呪法に、身をねじり必死に交わそうとするナツ。しかし、空中で身動きが取れな
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