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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第九話 南西諸島攻略作戦(後編)その2
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発着もできない!!」
「わかりました。飛鷹さん!!」
「はい!」
二人は交戦する伊勢たちを残し、東北へ転進を開始した。彼女たちの護衛直掩機も後に続く。その残りは敵機と激烈な空戦を繰り広げていた。
(でも、どうして・・・どうして、機動艦隊が私たちを狙って!?南西諸島本島の防衛を放棄してまで・・・・なぜ?!)
交錯する敵機をよけ、自部隊に指示を出しながら翔鶴の胸の内はざわめいていた。


帰還してきた攻撃隊を素早く収容した瑞鶴と紀伊は榛名たちに追いつき、第七艦隊は一路南方に待機しているはずの伊勢たちを目指して進んでいた。
「前方に艦影捕捉!」
榛名が注意した。
「電探にも捕えました。あ、でもこれは――。」
「榛名!!」
大きく手を振っているのはビスマルクだった。鎮守府護衛艦隊と第七艦隊は洋上で合流することに成功したのだ。もっともこれは双方が予期したことではなく、偶然が生んだものに過ぎない。指定航路が同じだったとはいえ、どちらかがほんの数分遅れれば会合できなかっただろう。
「やっぱり!!」
榛名と瑞鶴から概況を聞いたビスマルクは舌打ちした。
「どこかに無傷の機動部隊が展開していて、私たちの誰かを狙っているのよ。」
その時だった。瑞鶴が電文をキャッチしたらしく、耳に手を当てた。
「翔鶴姉より緊急受電!!南方面で敵機動部隊が味方日向たちを捕捉、現在戦闘中とのことよ!」
艦隊の面々は顔を引き締めた。
「至急応援に行くわよ!!」
ビスマルクが叫んだ。
「待ってください!」
皆が振り返った。紀伊が一人海面に立っている。
「敵の位置も、ましてその狙いもわからないまま突出するのは危険です。」
「なんですって?!でも、このままじゃ伊勢たちが危ないのよ!」
「わかっています。ですから、現場には急行しますが、索敵を厳にし、直掩機もあげておきます。二重三重に偵察機を飛ばします。同時に南西諸島本島にいる攻略部隊にも打電して、索敵の開始と、周辺の警戒を厳にするように伝えます。」
「なるほど、そうか。頭に血が上ったまま突進しても、敵に手玉に取られるだけ。そういうことね?」
紀伊はうなずいた。
「でも、この状況で艦載機を飛ばせるの?」
雨こそ降っていなかったが、波のうねりは高く、風がひゅうっと音を立てて吹きすさんでいく。空には黒い雲が渦巻いている。水平線と黒雲とのあいだの空は妙にクリーム色がかっていて不気味だった。
「大丈夫です。この状況ではやるしかありません!」
「紀伊がそういうんだもの、正規空母たる私が飛ばせないんじゃ話にならないわよね。大丈夫、任せておいて。」
「わかったわ。みんな、それでいい?」
全員が一斉にうなずいた。
「紀伊、瑞鶴、お願い!!」
「了解!」
瑞鶴は矢をつがえると、空に向けて放った。同時に紀伊も
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