暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
12話 日常回
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服に着替える。普段と違うのは制服のジャケットではなくシャツの上にパーカーだけ羽織ることだ。いくらなんでも汗をかいた後でそのままいるというのは、女性の園では無謀すぎる挑戦だ。

 楯無が出てくるまで、自分の机についてのんびりとISのことを考えながら待つのだった。

 「お待たせ」

 「先輩、今日は食堂で食べるんですか?」

 ややラフな鬼一に対して楯無は私服。髪の色に合わせたのか水色がメインの色調のワンピース姿だった。

 「たまには食堂がいいわね。普段は生徒会室だし自分で作るのも面倒。というか鬼一くん、私服とか持ってきていないの?」

 IS学園では消灯までの時間、もしくは休日なら学園内での私服着用は問題ないのだが、鬼一は一部といえIS学園の制服を着ていることが楯無は気になったらしい。

「はい? 別に持っていないわけでもないんですけど、単純にIS学園の制服が楽というのが一番の理由ですね。それよりさっさと行きましょう。休日くらいは席探しに困りたくないですし」

―――――――――――――――

 食堂にやってきた鬼一と楯無は向き合って座っている。休日だからか食堂にはほとんど人がいなかった。談笑しながら食事している生徒がちらほらといるだけである。

 鬼一と楯無の間には自分たちがそれぞれ頼んだメニュー。

 楯無は量を少なめにしてもらった焼き魚定食。ご飯、味噌汁、焼き魚、漬物といったスタンダートなメニュー。

「……相変わらずすごい食べるのね」

「……好きでこんな食べてるわけではないんですけどね」

 鬼一の目の前に『積まれた』料理を見て楯無は小さく呟き、鬼一はやつれた声をだす。

 テーブルから鬼一の首くらいまでの高さにまで積まれた多数のサンドイッチ、優に5人前はありそうなスパゲッティ、ボウルに山盛りに重ねられた温野菜の山、厚さ3センチはある大きいステーキ、大ジョッキにギリギリまで注がれた飲むヨーグルト。

 鬼一は頂点に置かれているサンドイッチをつまみ、口に放り込む。

 鬼一にとって食事とは何か? 答えとしてはトレーニング、の一言だった。

 元々鬼一は大食いの部類ではあったが、ここまでとんでもない量を食べるようになったのはISに乗り始めてからだ。e-Sports時代の頃もそれなりに食べていた。が、糖分などを一番消費する頭を常に使っている環境だったのでそこまで気にする必要はなかった。体重なども特に変動することはなく、鬼一の身長160cm前後に対して平均体重の52キロ前後をキープしていた。

 今までは身体を使うことはなかったのだが、ISで頭だけではなく身体を大きく酷使することになってしまった。結果、鬼一は研究所に保護されている時もトレーニングをしていたが、それだけで4キロも落
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