12話 日常回
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っているような違和感や吐き気などはありませんか?」
「大丈夫です」
その言葉に笑みを浮かべた真耶は、鬼一との距離の近さに気づいて赤面して慌て始めて、鬼一から距離を離す。
「つ、月夜くん、近いです! 朝からそんな……。それに私たちは教師と生徒の関係ですし……」
―――これと細かいミスがなければ良い教師だと思うんだけどなぁ。
ろくに学校に通っていなかった少年はそんなことを考えて、再び400走に戻った。
――――――――――――
トレーニングを終えた鬼一は真耶と別れて寮に戻ってきていた。現在の時刻は6時50分。部屋に戻ってきた鬼一は先ほどと同じように、慎重な手つきで自室の扉を開ける。
「鬼一くん、おかえりなさーい」
開けた扉の向こう側から間延びした楯無の声が聞こえる。どうやら起きていたみたいだ。起きていることに安堵した鬼一はそのまま自室に入る。以前、何も確認せずに入り、眠っている楯無の姿を見てしまいそれからはかなり慎重になった。ただ眠っているだけなら良かったが楯無の上の毛布がベッドの下に落ち、下着とワイシャツだけの姿を見てしまったのは今でも忘れられない。その後、鬼一は素早く落ちていた毛布を楯無にかけ直してあげた。
「た、ただいまです。たっちゃん先輩、起きていましたか」
顔が熱くなりそうになるが、言葉には出さないように応える。出始めがどもってしまったが気づかれていないことを鬼一は祈るばかりだ。
「うーん、せっかくのお休みだしのんびり寝てようかなー、って思ったんだけど目が覚めちゃってね」
気づかれていないことを安堵した鬼一はそのまま歩いて楯無の前に姿を見せる。そして、鬼一は心底自分の行動を恨んだ。
なぜなら楯無の姿は以前と同じような、下着にワイシャツだけの出で立ちだったのだから。その姿を見て今度こそ鬼一は顔が熱くなる。
白いワイシャツから見え隠れしている上下共に青色の下着。色付きのブラであるからか陶磁器のような白い肌が映える。思春期の男子には目に毒としか言えない。
「せ、先輩っ! なんでそんな格好なんですか!? な、なにか着てください!」
鬼一は焦った声を楯無に投げかけながら身体ごとその場で反転させ、楯無とは逆方向を見る。思わず背筋が伸びてしまう。
そんな鬼一の焦った声に対して楯無は別段焦ったわけでもなく、間延びした声で応える。
「えー、だって鬼一くん、以前私のこの姿見たとき凝視していたじゃなーい? こういうのが好きなのかなぁ、って思ったのにー」
「好きでもないですし凝視もしていませんっ! っていうかあの時起きていたんですか!?」
あまりの衝撃的な事実に驚愕する鬼一。同時に、なんて意地の悪い人なのだ、とも思う。こっそり起
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