暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
12話 日常回
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 どれだけ鬼一が強くても、それはあくまでもe-Sportsの範囲だけなのだ。女性関係に関しては同年代の子供に比べて遅れていると言ってもいい。鬼一のことを可愛い、と言って抱きしめる女性などがいたが、その都度周りの大人たちがフォローしていた。

「んー? じゃあ好きな女の子、好きな人とかもいないんだー?」

 その言葉を肯定しようとした鬼一だったが、開いた口がそこで止まってしまう。思い出してしまった。楯無やセシリアとのやりとりを。

「……っ」

 鬼一は口元を両手で隠す。顔面に血液が登ってくるのを自覚する。自身の身体が奥底から熱くなるのを感じた。異性として好き、という感情を鬼一は分からないが、それでも異性だと意識してしまった。今までは恥ずかしさが先行して気づかなかったが、本音の言葉であの2人を異性だと明確に意識してしまった。漠然とではあるが、好意を抱いているという気持ちを初めて実感してしまった。

 鬼一の予想外の反応に本音もからかうような笑みが固まってしまう。

「……えっと、つっきー? 好きな人、いるんだ?」

 鬼一の話を聞いて、鬼一は恋愛をしている場合じゃなかったのを理解している本音もこの予想外の反応に、笑顔ではあったがその中に気まずさが浮かんでいた。楽しさも浮かんでいたが。

「い、いや、違います! 僕にはそういった人はいません!」

 思わず声が裏返ってしまったが、本音からすれば疑問を確信に抱かせるものでしかない。

 鬼一の声に休憩スペースにいる少ない生徒たちの好奇の視線が集まる。何事か、と。

 その視線に気づいた鬼一は落ち着くように咳払いを一つこぼす。

 視線を向けていた他の生徒たちも興味を無くしたのか、それぞれの談笑に戻る。

「……ち、違うんですよ本音さん。あ、あの、あのですね」

 動揺がありありと浮かんでいる鬼一を見て本音は小さく笑い声をこぼす。今まで見ていた鬼一はあくまでも一つの側面でしかないことに深く気づいたからだ。教室で見せる顔も、クラス代表決定戦で見せた顔を見たときは怖い人だと感じた。だけど楯無とのやりとりを見て、そして今、必死になって否定しようとするこの姿を見たら、そんな印象など吹き飛ぶだろう。いや、感情を出している分こっちが本来の顔なんだろうと本音は感じた。

 漠然と信用できる人なんだと、そう思った。同時に小さな違和感を覚える。その違和感がなんなのかは今の本音には分からなかったが。

「えーっと、その、そのですね。たっちゃん先輩もセシリアさんも確かに凄い可愛いと思います。でも、そ、それは『好き』などとあの2人に対して、僕なんかが持っていい感情では……っ!」

「つっきーつっきー、誰もたっちゃん会長やセッシーのことを言っていないよ?」

 途
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