12話 日常回
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表に決まった時も怒っていたみたいだし」
その言葉を聞いて鬼一は過去の自分を思い出す。IS学園にやってきた時の事やセシリアに暴言を吐かれた時のこと、そしてその後のことを。
そこで鬼一は、確かに気を張っていたな、と思い出す。あの時は一杯味あわせてやることしか考えていなかったし、環境が変わったせいで余裕がなかったのも確かなことだ。この前のクラス代表で一夏に決まった際、箒に対しての反応も他のクラスメイトから見たらそう受け取られてもしょうがない。
今は一夏や楯無、特にセシリアのおかげで以前よりも余裕がある。余裕がある、と言っても周りから見たらあまり変化がないように見えるみたいだが。そのことに鬼一は反省する。周りに申し訳ないことをしたな、と。
「セッシーとおりむーはセシリアさんと一夏さんのことですよね? セシリアさんの時やあの時の篠ノ之さんに対する僕の反応は、本音さんや他の人に気を使わせて申し訳ないことをしましたね」
鬼一はそう言って苦笑し、椅子の背もたれに体重をかける。
「セシリアさんも篠ノ之さんには、そうですね。確かに怒ってました」
セシリアの時は自分が生きてきた世界を馬鹿にされ勝負を軽くされ、箒の時は身勝手であまりにも人のことを考えていない様子に怒りを覚えた。突っ張るのは勝手だが人を巻き込むなと言いたい。
同時に自分を今一度戒めるように言い聞かせた。
「だからと言って関係ない人たちを巻き込んでしまったのは悪かったです。気分を悪くしてしまったでしょう」
鬼一は背もたれから背中を離し、本音に頭を下げる。
「う、うんうん! 別に私は大丈夫だよ」
余った長い袖を横に振りながら鬼一の言葉を否定する。その言葉に鬼一は安堵したように頭を上げる。
「セシリアさんに関しては仲直りしました。彼女とは仲良くさせてもらっています。篠ノ之さんに関しては別に嫌っているわけではないですが、あの1件でどうやら敵意を持たれてしまったみたいですね」
そのことは本音も知っている。クラス内で鬼一とセシリアがよく談笑しているのは見かけるし、鬼一がセシリアに対してISに関する質問する姿も今となっては珍しくもなんともない。
だが箒は違う。彼女は鬼一とのやり取りで明確な敵意を鬼一に放つようになった。一夏と鬼一が話しているときには鋭い目つきで鬼一を睨むようになり、会話に割り込んでくることも多い。訓練時にも口を挟むことが多く、しばしば脱線することも珍しくない。
普段は鬼一自身嫌われていることも理解しているため関わらないように下がるが、一夏の訓練の時は引き下がるわけには行かなかった。その時の鬼一は怒りを隠そうともしない。徹底抗戦の構えで箒を退けている。今は口論でどうにかしているが、いずれ武力行使で
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