第42話 アイテム
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の研究所を目を細めて眺めた。
「これくらいあれば良いか......よし」
サソリは印を結び、植木鉢に入っていたやや湿り気のある土が散り散りとなり、サソリや木山の周りに集まり出した。
「木山」
サソリが写輪眼を発動しながら木山に声を掛けた。
「何だい?」
「お前ってなんか能力使えるよな?前みたいに」
「いや、あれはレベルアッパーを使っていたからね。今は何も使えないはずだ」
「そうか......」
「?」
サソリは巴紋をクルクル回しながら、軽くその場に座り出した。
「という事は、レベルアッパーが使えればお前もなんかの能力が使えるってことだな」
「そうだが......今は装置がないからできないよ。ほとんど消失してしまっ......!?」
突然、木山の耳に金属と金属がぶつかるような耳鳴りが響き、目が真っ赤になった。
「これは?!」
レベルアッパーを研究する上での思わぬ副産物「多才能力者(マルチスキル)」が再び、木山に付与された証だった。
「はあー......」
サソリが腕を後方に下げて、体重を支えるとダルそうに木山を見上げた。
「これは?......」
「ある程度、コピーさせて貰ったからな......これ以上強くすると意識が無くなるな」
サソリは、前に起きたレベルアッパー事件の時に意識を失い倒れた佐天のチャクラの流れを写輪眼で解析し、レベルアッパーと同じ原理の術を施した。
前は自分のチャクラの流れに組み込んだが、今回は木山の脳波に合わせてチャクラを調節して、レベルアッパー使用者と同じような状況にサソリ自身にかけたようだ。
フラフラとしながら、サソリは立ち上がると頭を掻いた。
「一応、これでお前もオレの術の一部が使えるようになるはずだな」
サソリが写輪眼を解除すると、木山の耳鳴りが治り、真っ赤な眼が元の目色に変わる。
木山の目の前でサソリは、砂を弄りながら指先で目を押さえている。
サソリの掌に砂が球体状に集まり出して、何か見覚えのある形へと変化した。
「よし」
それは、砂で作られた目玉のようだ。
サソリはその眼をギョロギョロ動かして動作を確認している。
「少し見てくる」
サソリはその目玉を握り潰すと砂塵となり、風に乗って研究所の小さな隙間から内部へと進入して行った。
木山は、そんなサソリの能力の高さに脱帽していた。
自身が数ヶ月も緻密に開発したレベルアッパーを僅かな時間見ただけで使いこなして、常識を上回る能力を使うサソリに畏敬の念を抱いた。
居るものだな......
天才というものは
サソリ君......君は一体?
......何かが違う、まるで住む世界が違うような気がしてならない
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