五十六話:再会
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イジングハートに罅が入り支えるなのはの手が切れ血が流れる。
一見すれば過剰なまでの攻撃に思えるが聖王の鎧はヴィヴィオの意思とは関係なくレリックを守り続ける。聖王の血筋にのみ許された最強の盾。それを砕くためには自傷覚悟のの威力を出さなければならない。
「ヴィヴィオーッ!」
「ママーッ!」
最後の力を振り絞りなのはは出力を上げる。目が眩みまともに前が見えない。しかし、それでも娘の声に応えるために絶望を撃ち抜く。そして、打ち破ることは不可能と言われ伝説にまでなった王の鎧を―――砕き去った。
戦いを終えた切嗣は荒れる呼吸を整える。彼の前には傷つき倒れ伏す老人と女性が二人。彼は自らの回復力を生かし不可能に近い勝利をもぎ取って見せたのだ。
「……邪魔をされても面倒だ、始末するか」
未だに死んではいない彼らに向かい切嗣は虚ろな目で呟く。そして、彼らに向けて銃口を向け引き金を引こうとする。しかし、突如としてアインスがユニゾンを解除したことで手を止める。
「アインス?」
「……切嗣、どうやら時間が足りなかったようだ」
上空を見つめるアインスの視線の先にあるものを見て切嗣は思わず瞳を震わせる。成長した姿をこうして見るのは初めてではない。しかし、以前よりも激しい動揺が彼を襲う。そんな養父を見つめながら彼女はツヴァイを従え静かに地上に降り立つ。
「久しぶりやな、おとん。今まで何しとったん?」
十年ぶりに会う家族に対し、はやては静かに問いかけるのだった。
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