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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第49話
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た、大変です!ルバーチェと思われる黒ずくめの一団による襲撃です!その数、およそ10!”キリングベア”の姿はありません!」

「たかが10名ごとき、返り討ちにしてしまえ!警察は心配するな!正当防衛でなんとでもなる!」

構成員の報告を聞いたラウは指示をしたが

「そ、それが………襲撃者の戦闘力は尋常じゃなく、重機関銃を片手で軽々と振り回して………」

構成員は慌てた様子で説明をしていた。するとその時再び部屋が揺れ、新たな構成員が慌てた様子で部屋に入って来て新たなる報告をした。



「1階が突破されました!こちらに迫ってくるのは時間の問題かと思われます!」

「くっ………”(イン)”殿がいれば………!」

新たに入って来た構成員の報告を聞いたラウは唇をかみしめていたが

「………フフ、やれやれ。どうやら頭脳派を気取っている訳にも行かないようですね。」

ツァオは眼鏡をかけ直して余裕の笑みを浮かべて呟いた。

「ツァオ様、まさか―――」

ツァオの言葉を聞き、ある事を察したラウが驚きの表情でツァオを見つめたその時、ツァオは片腕をコキリと鳴らし

「―――出ますよ、ラウ。この程度で”銀”殿に頼っては”黒月”の名折れ………東方人街を支配する我らの力、存分に見せつけてやりましょう。」

不敵な笑みを浮かべてラウを見つめた後、行動を開始した。



〜同時刻・ミシェラム〜



”黒月貿易公司”が襲撃を受けていたその頃、ジョーカー達やゼノとレオニダスが滞在しているレンの別荘も襲撃を受けていた。

「”黒月”はともかく、まさか我々にまで襲撃を仕掛けるとは………クッ、一体何が目的で……」

襲撃によって時折揺れている部屋の中、部下である執事の報告を聞いていたジョーカーは表情を歪め

「そらまあ、ここを襲撃する”動機”を考えたら間違いなく”黒の競売会(シュバルツオークション)”の件やろうな。」

「”黒の競売会(シュバルツオークション)”を台無しにした”特務支援課”を逃がした結果、ハルトマンの怒りを買ってしまった”報復”か。」

ジョーカーと共の報告を聞いていたゼノとレオニダスはそれぞれ推測していた。



「やはりですか………ですがこのミシェラムは”ルバーチェ”にとってこのクロスベルの”裏”の覇権を握るのに必要なハルトマン議長の邸宅も傍にあるというのに随分と思い切った事をしたものですね………下手をすればハルトマン議長の怒りをさらに買う事になるかもしれないというのに。」

二人の推測を聞いて納得した後ある事が気になったジョーカーが考え込み始めたその時新たなメイドが慌てた様子で入室してきて新たな報告をした。

「―――ジョーカー執事長!玄関の守りが圧され始めてい
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