【ハリー・ポッター】編
154 飛行訓練
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に気があるらしいマルフォイは直ぐに“思い出し玉”をネビルへと返却して退却していった。
……そこに居合わせたグリフィンドール生の面々に失笑が生まれる5秒前の事だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「何をぼやっとしてるんですか。皆、箒の左に立って──ほら、きりきり動いた動いた」
遂にやってきた飛行訓練。指定された場所でシェーマス、ディーンらとうだうだ談笑していたら、猛禽類を思わせる鋭い目の──担当の教諭であるマダム・フーチがそうかつかつとやって来て、一際大きい箒の横に立つ。
箒に乗るのはまだかまだか≠ニ判りやすく意気軒昂に胸を弾ませているシェーマスの隣に居るネビルは、マダム・フーチのその論調を聞いた時点で厳格な人だと判ったのかいつものおずおずとした態度を余計におずおずとさせる。
マダム・フーチはこれからの動作を実践していくのか、右手を箒の上に出す。
「右手を箒の真上に出して──そして、上がれ>氛氓ニ言う」
マダム・フーチが改めて「上がれ!」と箒へ向かって叫ぶ。するとマダム・フーチの箒は勢い良く浮き上がり、彼女の掌の中に収まった。
「「「「「上がれ!」」」」」
皆、一斉に叫ぶ。しかし箒が上がったのは俺、アニー、マルフォイを始めとした数人だけだった。
「私が笛を吹いたら、地面を強く蹴って下さい。……この飛ぶ時の注意事項としては、箒がぐらつかない様に押さえる事。良いですね?」
マダム・フーチは箒に跨がって地面を蹴り──地面から大体2メートルくらいのところまで浮上する。早く飛びたい皆は、おお〜≠ニ感嘆している。
「浮上したら今の私の居る位置──大体2メートルくらいのところで止まる。笛を吹いたらですよ。……1…2…の──」
懐から笛を取り出すマダム・フーチ。……マダム・フーチはカウントをしていざ笛を吹こうとするが──笛が吹かれる事は無かった。
……いざ笛が吹かれようとした瞬間、ネビルの体が箒と共に浮き上がったからだ。
「あ」
「戻りなさい、ロングボトム!」
「わ、わ、わぁぁぁ!」
掠れた──どこか絶望した様に声を洩らしたネビルはその数秒後にマダム・フーチの制止を聞かず──あるいは聞けずに、右にうわー=A左にうわー=A上にうわー=A下にうわー≠ニ右往左往する。
遂に箒を掴んでいられるだけの握力を失ったのか、ネビルは箒から手を放してしまう。……そうなれば、ネビルは当然墜落してしまうわけで…。
「……あちゃー…」
「いや、あちゃー′セってる場合じゃないし──“動きよ止まれ(アレスト・モメンタム)”」
俺は、まず死ぬような高さでは無か
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