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或る短かな後日談
彼女達の結末
幕間 三
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この悪夢が終わったなら……戦いに身を置き、地下に隠れ住む生活ではあるけれど、それでも。語り合うことが出来るのだろうか。
 そんな、アリスの言葉に、彼女は。

「ええ、きっと。だから、アリスも……今は、苦しいだろうけれど。その時は、一緒に……」

 言葉を、返して。思わず、頬が綻ぶ。

「……うん。きっと。絶対に、だよ」

 その未来を。必ず、勝ち取ってみせる。未来を変える。運命に抗う。抗い切るのだと。

「……ごめん、眠たくなってきちゃった」
「ああ、此方こそごめん、少しでも休んでおかないといけないのに……」
「いや、いいんだ。こうして、話が出来るのが……一番、楽になるから」

 なら、と。扉の前から、足音と共に気配が消えて。

 眠りの淵。その淵に腰掛け、彼女は。

「……約束する……絶対、に……」

 幸せな未来を。彼女達との未来を、勝ち取るのだと。そう、誓って。





 喧騒の中で目が覚める。鳴り響く警報音と、アナウンス。告げるのは、無数の敵影、近付いてくる巨大な生物、群れを成した悪意の接近。
 遂に、この日が来たらしい。叶うので有れば嘘であって欲しかった。けれど、こうして。現にこの日は訪れていて。
 躊躇している時間は無い。寝台から体を起こし、力の入り難い足、失われかけたバランス感覚……揺れる体に鞭を打って。一歩、また、一歩と。寝台の横に置かれたままの、車椅子へと腰を降ろした。
 行かねばならない。戦いの場へと。その為に、今まで。己を傷付け、力を蓄え続けたのだから。今日、この日、この時を越えれば、きっと。
 そう。言い聞かせるように。信じ込むように。胸の中で繰り返し。

 しかし。

「――遅い……」

 人が、来ない。
 本来であれば、警報が流れた際はアリスの護衛を兼ねて移動させる人員が直ぐにでも訪れることになっていて。その人員が一向に訪れず……
 まさか、既に。内部に、敵が――その光景が脳裏に過ぎり、過ぎった、瞬間。

「被験体×××号。緊急配備の為移動を行います。」

 扉が開く。廊下の灯り、逆光。影の落ちた顔は、緊張した面持ちの男性で。

「……遅かったね。何をしてたの」
「不足の事態が発生しました。そのため、その対処に人員を割く必要がありました」
「不足の……?」
「移動しながら説明致します」

 彼は、そう言い。車椅子を押すために、彼女の背後に――


 ――立った、瞬間。彼女の脳裏に浮かぶのは、一つのイメージ。アリスの背後に立った男性。緊張と、けれど、安堵混じりの表情、そして、その手に。


 手に、注射器。


 彼女が振り向く。振り向いた先、自身の首に触れんとした針、驚愕に跳ねた男の腕、体。体が。
 発光し、捻
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