第45話
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「それはこちらの台詞です。財団を出奔したあなたがどうしてこんなところに……?」
驚きに表情で自分を見つめるヨナをティオはジト目で見つめて尋ねた。
「ティオ、知り合いなのか?」
「エプスタイン財団の同じ研究所にいた事があります。もっとも専門が違ったのでそれほど親交はありませんでしたが。」
「くそっ、そうか……アンタならあのモードを使えばボクの痕跡を追えるハズだよな……ああもう、わかってたらもっと念入りに仕掛けたのにっ!」
「詰が甘いですね、ヨナ。そんな事だから、悪戯をして財団に大損害を与えるんです。」
「う、うっせーな。」
悔しそうにしているヨナをティオはジト目で見つめながら言った。
「なんだぁ、その大損害ってのは?」
「彼は幼少から、財団の研究所でシステムエンジニアとしての英才教育を受けていたのですが………悪戯がひどく、ある時、研究成果の一つを台無しにして大損害を出してしまったんです。そして、それを怒られるのが嫌で出奔してしまったらしく………」
「な、なんだそりゃ……」
「ふう………どんな理由かと思えば。」
「やれやれ……見たまんまのガキってことか。」
ティオの話を聞いたロイド達は呆れ
「失敗したからと言って、逃げるなんて弱虫だね〜。」
「………職人としての風上にもおけませんね。」
「そうですね。失敗を経験してこそ、失敗の経験を元に職人としての腕があがりますのに。」
シャマーラ達もそれぞれ呆れていた。
「ク、クソ……言いたい放題言いやがって……ティオ・プラトー!財団に告げ口したりすんなよ!?したらアンタの恥ずかしい秘密を導力ネットにばらまいてやるからな!」
ロイド達の会話を聞いて悔しそうな表情をしたヨナはティオを睨んで言ったが
「どうぞご勝手に。別に、知られて恥ずかしい秘密なんてありませんし………あったとしても、あなたに掴まれるような隙は見せませんし。ネットにばらまかれたとしてもすぐに対処できるでしょうから。」
「く、くう〜!」
余裕の笑みを浮かべて呟いたティオの言葉を聞き、悔しそうに唸った。
「ふふっ……」
「はは、ティオすけの方が完全に役者が上みたいだな。」
「それで……ヨナと言ったな?君はどうしてここにいる?一体、何をしているんだ?」
「っせえな、アンタにそんなことを話す義理は―――」
ロイドに尋ねられたヨナは舌打ちをした後つまらなさそうな表情で答えを拒否しかけたが
「答えなさい、ヨナ。この場所にたどり着かれた時点でゲームはあなたの負けです。」
「ぐっ……わかったよ。ボクはな、今このクロスベルで”情報屋”をやってるんだ。」
ティオに睨まれて唸った後答えた。
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