第42話
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んだが………早くもそういう事例が報告されているらしいね。」
エリィに確認されたティオは頷いて説明し、ディーターが補足の話をした。
「なるほど………」
「ってことは………”銀”ってのは刺客だけじゃなく”ハッカー”でもあるってことか?」
「そこまでは断定できないけど………例のメールが、このビルの外部から送られた可能性はあるみたいね。」
「ふむ、信頼するスタッフを疑わずに済むのはいいんだが………メイン端末がハッキングされたというのもそれはそれで由々しき問題だ。………よし、こうしよう。君達が端末室に入れるよう手配しようじゃないか。」
「え………」
「い、いいんですか?」
自分達の会話を聞いて考え込んだ後提案したディーターの話を聞いたロイドは驚き、エリィは戸惑った様子で尋ねた。
「ああ、メイン端末を調べればハッキングの痕跡などが残っているかもしれないし…………スタッフも詰めているから話を聞くこともできるだろう。」
「………助かります。」
「おじさま………どうもありがとうございます。」
「いや、こちらにとっても見過ごせない問題だからね。ふふ―――しかしエリィ。なかなか充実した日々を過ごしているようじゃないか?」
「え………」
唐突に自分の話をディーターにふられたエリィは呆け
「最初、君が警察に入ったと聞いて少々疑問に思ったものだが………なるほど確かに良い経験が出来そうな職場だ。私も改めて、応援させてもらうよ。」
「おじさま………そう言って頂けるととても助かります。」
ディーターの言葉を聞き、口元に笑みを浮かべて会釈した。
「ふふ、それに君達も………雑誌で読んだ以上に可能性を感じさせてくれるね。」
「え………」
そしてディーターの言葉にロイドが呆けたその時、ディーターは席を立って、ロイド達に背を向けてガラス張りの窓に近づいた。
「……気づいているだろうがこのクロスベルという自治州は非常に難しい場所だ。おそらくエリィなどはそれを痛感していると思うが………一番、問題だと思われるのは”正義”というものが完全に形骸化してしまっていることだ。」
「”正義”の形骸化………」
「それは………どういう意味でしょう?」
「”正義”は、ともすれば”奇麗事”と同じ意味と捉えられる場合も多いだろう。在り方も人それぞれ………だから正義などは存在しないと嘯く者もいるかもしれない。だが、どんな形であれ………結局のところ、人は正義を求めてしまう生き物なのだよ。」
「え……」
「人が正義を求める生き物………?」
ディーターの話を聞いたロイドとティオは呆けた。するとディーターはロイド達に振り向いて答えた。
「なぜなら”正義
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