13
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
一体この子は何を言っているのでしょうか………?
「姫」
短く一言、宰相から待ったの声が掛けられた。
これが、宰相の初めて声らしい声を聞いた時だった。
「打ち合わせと違うでしょう。 色々言わなければいけない事をすっ飛ばしているんですか。 ちゃんと役職名を言わなければ誤解を山ほど受けるんですよ。 大体、盾になれってどんな鬼畜の所業ですか」
口を開いたら一転して、小言が溢れ出て来た。
物静かな人だと思っていた第一印象が吹き飛んで、僕にとってはちょっと苦手な部類へと見方が変わる。
頭良さそうでまだ若いのに、彼からはなんか説教臭い年寄りのような印象を覚えた。
「あ〜そうだった、そうだったな。 悪い悪い」
小言もそこそこに切り上げようとして、エルザ姫はヒラヒラと手を振って中断させた。
「え〜とだな。 お前を、俺様の側付きの試験的特例近衛として雇用するものとする―――だったか。 分かったかバッテン」
「スペ…え? インペ…え?」
何語?
ちょっとよくわからない響きに、エルザ姫が言っていた事がさっぱり意味がわからなかった。
それはつまり……え〜と、どういう事ですか?
「つまりですね」
その時、冷や汗を流れていた僕を見かねて、後ろからメイドさんが補足してきた。
「あなた様は特別に、エルザ姫陛下の従者のようなものとして雇われる事になったのですよ」
「ぇええーーーッ!?」
メイドさんが分かりやすく噛み砕いてくれた内容は、地のどん底から天に昇るほど衝撃的な事だった。
それと同時に湧き上がる当然の疑問。
「な、なんで僕が!? 僕、ただの傭兵なのに……その、ス、スペ……」
「試験的特例近衛な。 長いから“盾”でいいぞ」
あ、やっぱり長ったらしい名称だとエルザ姫も思っていたようだ。
いや、でも、盾って…それって人としての職になるのか……って違う、重要なのはそこじゃない。
「そ、その盾ですけど…なんで傭兵の僕がそんな…ひ、姫様の、王族の人の直近みたいなものになれるような功績も地位も、それどころかお金も無いのに…どうして?」
とても情けない話ではあるけれど、僕は傭兵…それも一般人にも劣る身の上である。
それが姫の…小国とは言えそこで一番偉い人の直近になれるとか、いくらなんでもそんな夢のような…なのかはどうかはともかくとして、ありえない話だ。
「なんだ、相応
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ