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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
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 一体この子は何を言っているのでしょうか………?

「姫」

 短く一言、宰相(さいしょう)から待ったの声が掛けられた。
 これが、宰相(さいしょう)の初めて声らしい声を聞いた時だった。

「打ち合わせと違うでしょう。 色々言わなければいけない事をすっ飛ばしているんですか。 ちゃんと役職名を言わなければ誤解を山ほど受けるんですよ。 大体、盾になれってどんな鬼畜の所業(しょぎょう)ですか」

 口を開いたら一転して、小言が(あふ)れ出て来た。
 物静かな人だと思っていた第一印象が吹き飛んで、僕にとってはちょっと苦手な部類へと見方が変わる。
 頭良さそうでまだ若いのに、彼からはなんか説教臭い年寄りのような印象を覚えた。

「あ〜そうだった、そうだったな。 悪い悪い」

 小言もそこそこに切り上げようとして、エルザ姫はヒラヒラと手を振って中断させた。

「え〜とだな。 お前を、俺様の側付きの試験的特例(スペシャルテストケース)近衛(インペリアルガード)として雇用するものとする―――だったか。 分かったかバッテン」
「スペ…え? インペ…え?」

 何語?

 ちょっとよくわからない響きに、エルザ姫が言っていた事がさっぱり意味がわからなかった。
 それはつまり……え〜と、どういう事ですか?

「つまりですね」

 その時、冷や汗を流れていた僕を見かねて、後ろからメイドさんが補足してきた。

「あなた様は特別に、エルザ姫陛下の従者(じゅうしゃ)のようなものとして雇われる事になったのですよ」
「ぇええーーーッ!?」

 メイドさんが分かりやすく噛み砕いてくれた内容は、地のどん底から天に昇るほど衝撃的な事だった。
 それと同時に()き上がる当然の疑問。

「な、なんで僕が!? 僕、ただの傭兵(ようへい)なのに……その、ス、スペ……」
試験的特例(スペシャルテストケース)近衛(インペリアルガード)な。 長いから“盾”でいいぞ」

 あ、やっぱり長ったらしい名称だとエルザ姫も思っていたようだ。
 いや、でも、盾って…それって人としての職になるのか……って違う、重要なのはそこじゃない。

「そ、その盾ですけど…なんで傭兵(ようへい)の僕がそんな…ひ、姫様の、王族の人の直近(ちょっきん)みたいなものになれるような功績も地位も、それどころかお金も無いのに…どうして?」

 とても情けない話ではあるけれど、僕は傭兵(ようへい)…それも一般人にも劣る身の上である。
 それが姫の…小国とは言えそこで一番偉い人の直近(ちょっきん)になれるとか、いくらなんでもそんな夢のような…なのかはどうかはともかくとして、ありえない話だ。

「なんだ、相応(ふさわ)
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