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う思っているがあえて言わない事実、警戒担当でも警備担当でもない物資担当は予備戦力扱いだが実際は雑用もいいところだ。
戦力はそれ以上でもそれ以下でもないのに、雑用なんかしてるようじゃ傭兵としてどうかと思われるのも仕方ない事ではある。
「しかしそれも今日までの話だ」
「え?」
この姫様は、何を、言っているのだろうか?
あの…まさか…そのまさか…ではないですよね……?
「傭兵としての仕事は終わりって事だよ」
「ちょ、ぅええぇぇえ!?」
終わり!? お仕事終わり!? なんで!?
突然に告げられる傭兵終了のお知らせ。
それはもしかしなくても、言い換えればつまり…。
「そそそそれってまさか…クビって事では…!?」
「そうとも言うな」
―――……詰んだ。
僕の、人生、終わった。
今までなら、何とかやってきた。
危ないと思いながらも必死で生き延びて、最低限の賃金をうまくやりくりして、ひもじい思いしながらも節約して…それでも傭兵を続けてきた。
このデトワーズ皇国の傭兵になって日は浅く…最低限の防具と剣を購入した後だから、蓄えなんてろくに出来ていない。
何より三食まともにたっぷり食べられる生活が財布の紐を緩めてしまい、節約を二の次にしてしまっていたのが痛い。
これからどこかで雇ってもらうにしても…地元じゃないから、それがすぐに叶うわけじゃない。
ここで傭兵が出来ないのなら他の土地でやるにしても、次の雇い先が見つかるまでにお金は確実に尽きるのは目に見えている。
出来れば数カ月はお世話になって稼ごうかな〜、と思っていたけど…クビを言い渡されるなんて……。
これは貧民街行きかな…アハハ……。
「そこでだ」
お先真っ暗で将来に絶望しそうになった―――その時だ。
エルザ姫はまだ話に続きがあったのか、絶望する一歩手前の所で意識を向けさせられた。
「デトワーズ皇国王女エルザ・ミヒャエラ・フォン・デトワーズとして、バッテンに命令する」
腕を組み、あくまでも偉そうな態度を崩さず、エルザ姫は尊大に名乗り上げて宣告してきた。
「その呆れたしぶとさを見込んで―――俺様の盾になれ」
「―――へ…?」
たっぷりと、空白のような間を開けて、ようやく間抜けな声で反応してしまった。
しかし、その発言の意味不明さに、頭は理解を放棄していた
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