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暴れん坊な姫様と傭兵(肉盾)
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無邪気(むじゃき)さが感じられるものだ。

 ふと思った。
 見下(みお)ろしたいのなら、ここで自分に(ひざまず)かせればそれで解決なのではないか……と思ったが、余計な事は言わずに黙っておく事にした。

「さて、話は聞いての通りだ。 わかってるな?」
「え、いえ、わかりません」

 聞いての通りも何も、肝心要(かんじんかなめ)の所はさっぱりです。
 どうしてここにいるのかはわかっているけど、何を理由にそうさせたのかそこんとこが分からない。
 僕…エルザ姫に目を付けられるような粗相(そそう)をしましたでしょうか?

「頭悪いなお前。 ミーア姉ちゃん、こいつに説明したのかぁ?」
「話せる範囲は。 しかし、重要な部分は姫陛下の口から言われるべきと思い、それ以上は伝えていません。 私は一介(いっかい)のメイドでありますゆえ」
「あっそ。 ミーア姉ちゃんがそう言うなら仕方ないな」

 どことなく主従以外の感情があるような会話だったけど、エルザ姫は肩をすくめ、メイドさんから僕へと視線を(うつ)した。
 そんな視線を向けられて、自分は内心オドオドしています。
 メイドさんの文句の付け所がないくらい(ひか)え目な対応のおかげで尚更(なおさら)に。

「それでだな、バッテン」
「レヴァンテンです! て言うか、その呼び方まだ続いていたの!? って、あ…」

 あまりにもあんまりな呼び名に、僕は反射的に言葉を返した。
 ついついあの戦場の時の勢いで、姫様に対して大きな声で無礼(ぶれい)な口調が出てしまった。
 これは当然、庶民が偉い人にやっていい態度ではない。

「ん、んっ…!」

 案の(じょう)、そこにいた宰相(さいしょう)咳払(せきばら)いした。

 初めてこの場で声らしい声を聞いたけど、あの(しか)めた顔…間違いなく怒ってる…!
 エルザ姫に対して粗相(そそう)をして、この無礼者!って言いたげな目をしてるような気がする!?

「気にするな気にするな。 バッテンはバッテンだ、俺がそう決めたんだからな」

 えぇ〜……。

 この姫様は……独裁的(どくさいてき)な姿勢は相変わらずだった。
 僕ことレヴァンテン・マーチンを“バッテン”と呼ぶ事を止めてくれないらしい。
 ちょっと泣きそう……。


 それはともかくだ、と姫様は言葉を続けた。

「バッテン、お前は臨時兵士としてウチん所の国で(やと)われているよな」
「え、えぇ…まぁ…」
「正確には臨時兵士として雇用登録して二週間ほど。 実地での役割は物資(ぶっし)の仕分けと整理ですね」
「臨時兵士、もとい傭兵の仕事らしくねぇな」

 エルザ姫のそんな言葉がグサッと刺さる。
 誰もそ
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