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メイドさん、僕こと傭兵のレヴァンテン、そして仮面の人、三人が一列に並んで進んでいく。
そんな奇妙な集まりはすれ違う人からの視線を集めつつ、城内らしき通路を通りながら皆揃って無言だった。
「……」
「……」
「―――、――」
なんだかとても居心地が悪い。
目の前にメイドさんがいるから、いくらか精神的にマシだけど、後ろの仮面の人から向けられる無言の視線が落ち着かない。
謁見の間に行くのかと思っていたが、前通った時とは別の道を進んでいるのか周りの様相に見覚えがない。
向かう先にあのエルザ姫がいるのはわかってはいるが、流石に行き先がわからない事に不安を覚えた。
「もうすぐ着きます」
メイドさんに問いかけようとする前に、向こうから先んじてそう言った。
不意に到着しそうなのを告げられた自分はドキッとする。
そしてその到着場所はすぐにわかった。
通路の行き止まりに、重厚な木造の扉が自分達を待ち構えていて、その取っ手には豪華な事に金属製で出来ていた。
その先は明らかに特別な部屋である想像を思い浮かばせる。
「こちらになります。 姫陛下、件の傭兵様をお連れしました」
メイドさんはコンコン、と扉を叩き、次いで声をかけた。
扉の向こうから返事はすぐに返ってきた。
「お、ミーア姉ちゃんか。 入れよ、宰相もいるぞ」
「では、失礼します」
扉を開けるとそこには、姫陛下のちょっとすごい場面を目撃した。
エルザ姫が座り心地が良さそうな椅子に座りながら、人一人が寝られるくらい大きい机に向かっていた。
机に向かって座るイメージがなかったから驚きだが…その光景がちょっとすごいものだ。
エルザ姫は片手にペンを持ち、片手に羊皮紙を滑らせて書類仕事をしている…とは言葉にすると簡単だが、その光景が中々凄まじい。
ズババババッ、と姫陛下が羊皮紙を躍らせて、ペンを走らせている様は目にも止まらぬ速さ。
羊皮紙を取る左とペンを握る右手が同時に動いて、次々と書類を片づけて行く。
あれでちゃんと書けるのかと思ったが、目まぐるしく動く瞳はちゃんと羊皮紙に文字を刻みつけているのを確かめている様子だ。
とにかくすごい。
羊皮紙の山を処理していく様は、言葉が出ないほどだ。
書類が踊る。
エルザ姫は視線がこちらに向けずに、そのまま声をかけてきた。
「お、サンタにミーア姉ちゃん、ごくろーさん」
「ちゃんと仕事していま
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