12
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
痛みを忘れて意識が浮上した。
気を失う直前の事が思い浮かばなくなるほどに鈍化した意識が目覚める。
意識が戻っていくにつれて思考が戻ってきた。
―――なんか僕って、最近こんな目覚め方ばかりしてるような気がする。
三度目?……いや、二度目か?
失神してるのに思考出来ている。
意識が浮上していくのをボンヤリと感じている。
どうしてそうなってるかよくわからないけど―――意識が浮上するのを止められないまま、自分は眼が覚めるのであった。
「うぅ〜ん……」
ボヤけた視界に白い天井が映った。
天井から降り注ぐ光が眩しくて、寝起きの眼に痛く刺さる。
それでも薄目にして光を極力遮りながら、視界の端に何かをいるのを見た。
人だ。 人が覗きこんでいる。
誰……?
「―――、――」
「うわぁあっ!?」
異様な“何か”が覗きこんでいた。
眩しくてボヤけた視界を意識すると、それは人だけど…かろうじて人だと思わしき“何か”が僕を見下ろしていた。
おかげで物凄くビックリして眠気が一気に吹き飛んだ。
「―――、――」
「な、何!? 何〜〜ッ!?」
仰向けになっていた身体が弾けるように起きて、目の前の謎の人物から距離を取ろうとその場で後退った。
それでも物言わぬ人のような“何か”が自分から視線を外さずにジッと見詰めてくる。
何なの、こ…この人…!?
目の前の人物は何と言うか…普通とはちょっと違っていた。
まず一番の特徴に、目の部分だけ覆う被り物を着けているという点だった。
眼帯のように目をスッポリと覆って、まるで仮面のようだった。
その仮面には真横に細長いガラスようなものが埋め込まれていたが、向こうでどんな視線を向けているのか窺い知る事が出来なかった。
「(……何というか、仮面がものすごく怪しい)」
次に目立つ特徴は外套だ。
フード付きで頭から足の半分まで覆うほどの外套を羽織っていて、頭ごと全体的な輪郭が覆い隠されていた。
髪まで隠してるせいか、女か華奢な男なのか…判別がつかなかった。
「(……何というか、体付きを隠
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ