第二章
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「本当に昔はな」
「昔は皆だね」
「そうだった、ただまた祭りがあるからな」
「もうすぐね」
「皆がミシャナナを着るからな」
村の女達はというのだ。
「それも見ような」
「それじゃあね」
こうしたことを話してだ、そしてだった。
祖父と孫は農作業を続けた、二人の日常はドールが思うに何の変わりもない毎日だった。祖父が言うのと違い。
だが祭りの時になるとだ、ンジャガは笑ってドールに言った。
「さあ、祭りだ」
「うん、今から行ってだね」
「楽しくやるぞ、昔はな」
「そこでまた昔のこと言うんだ」
「もっと小さな祭りだった」
こう孫に話すのだった。
「人も少なくてミシャナナもな」
「それもなんだ」
「皆着てたがな」
しかしというのだ。
「このミシャナナが地味だった」
「そうだったんだ」
「まあその話は祭りに行った時だ」
「その時に話をしてくれるんだ」
「とにかく行くぞ」
孫の手を取る様に急かしさえした。
「いいな」
「うん、じゃあね」
二人で話してだ、そしてだった。
実際に二人で祭りの場に行った、祖父と孫は祖母も両親も他の兄弟姉妹達よりも早く祭りに行った、この二人は家族の中で最も仲がいいのだ。
それでだ、この日も二人ですぐに祭りに出た。すると。
祭りははじまったばかりだった、ドールはそのはじまったばかりの祭りを見てンジャガにこんなことを言った。
「まだこれからだね」
「そうだな、しかしな」
「これからだね」
「ああ、はじまる」
その祭りがというのだ。
「これからな」
「それじゃあ」
「女の子はまだ少ないが」
「これからだね」
「来るからな」
ンジャガは祭り、まだ人が少ない状況を見つつ言った。
「女の子達も」
「祖父ちゃん若い女の子好きだね」
「見るのがな」
あくまでそれ限定と返す。
「それ以上はしないぞ」
「第一は祖母ちゃんだから」
「浮気はせん」
それは絶対にというのだ。
「御前もそうしろ」
「浮気をしたらね、うちの学校の先生もね」
「何だ、学校の先生が浮気したのか」
「若い娘さんにね、そうしたらね」
「かみさんに怒られただろ」
「次の日全身生傷だらけで登校してきたよ」
こう祖父に話した。
「殴られて蹴られて投げられて噛まれて引っ掻かれてね」
「それはまた凄いな」
「豹に襲われたみたいだったよ」
「そうだ、浮気をしたらな」
「豹に殺される感じなんだ」
「ああ、そうだ」
まさにというのだ。
「だから御前も浮気はするなよ」
「ばれたら怖いから」
「そうだ、そこはいいな」
「わかったよ、それじゃあね」
「そういうことでな、さて」
ここでだ、ンジャガは。
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