第短編話 三
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、二人で出かけられるわけで。
「……うん、うん。いいんじゃない? サイクリング!」
「喜んでもらえたようで何より……だっと」
サイクリングという提案を受け入れたとともに、どうやら彼の方の仕事である、二本のカタナの鞘は決まったようだ。その二本のカタナを彼が、予約した商品を置くストレージにしまっていると、こちらのインゴットも武器化を知らせる輝きを放つ。
「ふぅ……」
ようやく終わりかと一息つくと、インゴットは金属製の鞭に姿を変えていく。制作するのも使うのも難しいということで、どうにもマイナー武器の枠を出ない鞭だったが、何を頼んだにせよ大切なお客様だ。鞭には鞘はいらないということで、そのまま予約客用のストレージにしまっていく。
「リズ、今ので予約のは全部か?」
「うん! おっ疲れ様ー!」
ずっと背中合わせと背中向きで仕事をしていた、彼の――ショウキの手にハイタッチをしつつ。身長の関係で、ハイタッチに少し手を伸ばす必要はあるが……彼の顔を見上げることが出来る、この身長差は少し気に入っていた。もちろんショウキには秘密だが。
「あとはサイクリングね。次の休み、どっか行ってみましょ!」
「ああ」
淡白な返答――だけど、そんなショウキの表情は、隠しきれないほどの笑顔だった……なんて。多分あたしも、同じような表情をしている、だろうけど……
お題:ヒロインから見た主人公
二人でgdgdしてるだけですか、そうですね。その通りですとも!(開き直り)
『キリト先生の誕生日』
「いやー、助かったぜ」
「お役に立てたなら何より」
曇り空の下、軽自動車に乗って町を駆ける。とはいえ免許も持っていない俺が運転しているわけもなく、後部座席から見覚えのある光景を眺めていた。
「俺もずいぶん、買い出しとコピーの技術が上がったよ」
「お? そりゃ絶対役に立つよオメー」
運転席でハンドルを握るクラインが、皮肉めいたこちらの口調にカラカラと笑う。クラインの会社で納期が危機的な状況に陥ったらしく、猫の手も借りたいと俺にキリトは呼び出され、他の方とともに泊まり込みの手伝いをしていた。
もっとも、プロのように機械を操ってみせるキリトと違って、こちらは雑用以外の何者でもなかったが――まあ、雑用は雑用らしく、少しは役に立ったと思いたい。
「着いたぜ。ここでいいんだっけか? 駅まで送るぜ?」
「こっから車通りが多くて手間だろ。ありがとう」
クラインのありがたい申し出を断り、適当なところで下ろしてもらうと、肌寒い空気が俺を襲ってきた。今まで暖房のお世話になっていた俺には厳しい寒さで、迷惑な爆音を轟かせて、先にバイクで帰ったキリトのことも含めて、普通
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