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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十四話 ツラの皮が分厚すぎるのも時には困りものです。
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軍事知識を持ち、あまっさえ反乱軍掃討作戦の骨子までもいち早く立案しており、さらには後方の補給計画なども余さず作ってあったからだ。
 ただただ驚いているメルカッツを見ると、アレーナは急に恥ずかしそうに笑った。もっとも「恥ずかしそうに」とは彼女の演技である。本当の狙いはここからだった。

「はい。閣下がご不審に思われるのももっともです。ですが、わたくしには良き有人、良き先輩がおります。その方々から基礎を教わったのですわ」

 うそばっかり。本当はアレーナがすべて前世からの経験と独学で身に着けたのである。

「ほう?」

 そのようなことを効果的にこの若い貴族令嬢に教えたのは誰なのだろうとメルカッツはいぶかった。

「はい、ラインハルト・フォン・ミューゼル准将、ジークフリード・キルヒアイス少佐、そしてイルーナ・フォン・ヴァンクラフト准将ですわ。覚えておいていただけますでしょうか?」
「これはこれは、そのような逸材が帝国軍にあったとは。小官の眼はあまり遠くまで見渡せなかったようですな」
「いいえ、今名前を上げた方々はまだ若いのです。提督がご存じないのも無理はありませんわ」

 いずれも10代〜20代です、とアレーナが補足すると、メルカッツも脇のシュナイダーもびっくりした顔になった。

 委細検討した後、また明日伺いますと言い残し、メルカッツとシュナイダーはランディール侯爵家を後にした。

「驚きましたね、フロイライン・ランディールがあのような卓見をもっていらっしゃったとは」

 車中の人となると、シュナイダーはさっそくメルカッツに話しかけた。目に興奮の色が宿っている。

「うむ。正直いって儂も驚いた。あれはただの10代の貴族令嬢ではない。色々と奔放な噂を耳にしたが、さもあらん、あのような人となりでは普通の貴族社会には向かないだろう」

 そうはいっても、あの方の才能は比肩しがたいものがあるとメルカッツは補足した。

「だが、上には上があるのだ。あの方を教えたラインハルト・フォン・ミューゼルという准将、彼の名前も儂は知っている」
「グリューネワルト伯爵夫人の弟君でしたね。そして、皇帝陛下の姉に対するご寵愛で出世したという人物だと言われていますが」
「世間の口ではな」

 メルカッツが短く言ったので、シュナイダーは沈黙した。しばらくするとだしぬけにメルカッツが、

「やがてはああいった若者たちがこの帝国の将来を担うことになる。それが良い方向に行くか、悪い方向に行くか、はて、どうなることか・・・・」

 良い方向はともかく、悪い方向?シュナイダーはかすかに不吉な予感さえ覚えて、今のはどういうご趣旨ですか、と尋ねた。

「儂自身もよくわかっておらんのだ。一つ言えることは、彼らの存在が、この銀河を揺るが
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