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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十四話 ツラの皮が分厚すぎるのも時には困りものです。
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ても、このように非礼を詫びるところである。しかも今回は自分がベタかわいがりにかわいがっているアレーナのために、討伐軍の指揮官を引き受けてもらうのだから、低姿勢も道理というわけだ。
「いや、軍務尚書閣下、お気遣いなさる必要はありません。小官の非才をこうしてお役立ていただくことは軍人としての本望ですから」
丁重であったが、卑屈ではない。またずっと年下の小娘を指揮官にいただくことへの悪意も感じられない。まったく淡々としているのである。
傍らに座っていたアレーナは実際にメルカッツ提督を見て、なるほどこの器量の持ち主ならば、ヤン艦隊を良く支えたはずだと思った。メルカッツ提督は、自身が広く宇宙艦隊を統御することに才能を持つのではなく、練達の不動の指揮官として全軍の中核を占めることこそが望ましいのだとアレーナは看破した。全軍の上に立つ力量の持ち主ではなく、それでいて全軍から頼られる存在、一見矛盾するこの二つの要素をいとも簡単に兼ね備えている者が今目の前に座っている初老の歴戦の提督なのだ。
「閣下。アレーナ・フォン・ランディールと申します」
アレーナは日頃の飄々さをすっかり封印し、貴族令嬢らしい優雅な物腰で丁重に挨拶して見せた。
「ご多忙のところ、このようなわたくしの頼みを聞いてくださり、本当に感謝に堪えません。また、申し訳なく思っております。どうかわたくしのことなどを気にかけず、お気づきの点、わたくしの至らない点を指摘していだだきとうございます」
マインホフ元帥はびっくり仰天して、椅子からずり落ちそうになった。いつも「おじいさまぁ!」などとなめよらんばかりにすり寄ってくるアレーナが堂々と、そして丁重に貴族令嬢らしい挨拶をやってのけたのである。うわべだけのものではなく、そこには歴戦の提督に対する敬意と尊敬の念があふれ出ていた。
そしてそれもメルカッツのほうも感じ取ったらしい。鈍そうな細い目を心持開けて、ゆっくりとうなずいた。
「こちらこそ、痛み入ります。フロイライン・ランディールにおかれましては、初陣でいらっしゃいますな。初めての事ばかりでさぞお困りの事でしょう。どうか遠慮なく些細な点であっても相談していただきたい。お力になります」
聞く人が聞けば、自分勝手にやるな、という意味だと取ったかもしれないが、アレーナはそうは思わなかった。メルカッツの抑揚のない落ち着いた言葉の中にはアレーナを想う心情があふれていることを感じ取ったからだ。
「さて、では委細の話に移りましょうか。戦略検討に入る前に、フロイライン・ランディールには艦隊編成の事、そして実戦のことをまず知ってもらわねばなりません―――」
そう前置きしたメルカッツだったが、ほどなくして内心舌を巻いた。なぜならアレーナがその方面にかけては既に提督級の
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