1.エルネスト・ルツ中佐編
第3話:ブリティッシュ作戦
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に攻撃を加えた。
ワンテンポおいてサラミスのエンジンが爆発を起こし、宇宙の藻屑へと姿を変えた。
3機のザクは爆発によって生まれたデブリの衝突を避けながら合流する。
「上出来だ、伍長」
『ありがとうございます、中尉』
メーゲンとの通信を終えると、ルツはコロニーに目を向けた。
あちこちに連邦艦隊による攻撃の傷痕がつけられていた。
ミラーの先端は欠け、採光部の窓は一部が割れている。
だがその主要構造は健在で、堂々たる姿で地球へと向かっていた。
そのとき、後方で信号弾が光った。
「作戦終了だ。 帰投するぞ」
ルツは部下たちに告げると、機体をコリオランへと向けた。
最後に一度、ルツは地球へと落ちていくコロニーを振り返った。
「頼むぞ、アイランド・イフィッシュ」
そんな言葉とともにルツはコクピットの中でコロニーに向けて敬礼していた。
彼のザクは青い地球に背を向けて、数えきれない残骸が漂う中を母艦へと飛ぶ。
やがて、彼の行く先にぽつぽつと小さなひかりがいくつも現れる。
それは徐々に大きくなり、それぞれの光はムサイ級巡洋艦へと姿を変えた。
地球から遠ざかろうとしている艦隊の後方から、3機のザクは近づいていく。
コリオランへと戻ったルツは、ノーマルスーツのままパイロット待機室に向かった。
待機室にはすでに何人かのパイロットが集まっていた。
正面にある大きな画面には着々とジャブローへと向かって飛ぶコロニーの映像が
映し出されていた。
「よう、お疲れ」
背後から肩を叩かれて振り返ると、タオルで汗をぬぐうベルゼンが立っていた。
ルツが無言でうなずき、もう一度画面の中のコロニーに目を移すと、
ベルゼンも彼のとなりに立って画面に目を向けた。
「鬼神ってのは今日のお前みたいのを指すんだろうな。
すごい戦いっぷりだったじゃねえか」
「そうか?」
「そうだよ。 ウチの艦隊でトップの撃墜スコアだぞ?
ますます差がついちまってやんなるぜ」
「ふぅん・・・。 でも、ベルゼンだってご活躍だったじゃないか」
「そりゃあな。 それにしてもよ、連邦ってのは艦隊のでてくる魔法の壺でも
持ってんのかねえ。 コロニーの迎撃にここまでの大艦隊を打ち上げてくるなんて
想像もしてなかったんだが」
「国力30倍っていうのは伊達じゃないってことだろ」
「まあな。そのためのブリティッシュ作戦なわけだし」
「そういうことだよ」
ひとしきり話し終えた2人は再び画面に意識を集中した。
画面の中ではコロニーに対して残存戦力をかき集めて再編成した
連邦艦隊が必死の攻撃を加えていた。
「あっ、ミラーが!」
連邦艦隊の攻撃が3枚あるミラーのうちの
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