暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
11話
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困ったような表情に染まる。ここまでメリットデメリットが極端なものだというのは予想外だったらしい。

 とはいえ、文句を言っていてもしょうがないので鬼一は思いついたことを口にする。

「セシリアさん、カスタム・ウイングに使われるエネルギーについてですが、アレってこちらで調整できますか?」

「可能ですわ。少々複雑な調整は必要ですが上手く調整できれば、今よりも多少エネルギーを浮かすことは出来ますわね。とはいえ被弾や移動に使われるエネルギーも考えると誤差の範囲内かと……」 
 
「ですが燃費の悪さを少しでも改善しなければ少し持久戦になったらそれで終わりです。今のままでしたら僕なら徹底的に守りを固めて持久戦にします」

 カスタム・ウイングに使われるエネルギー、すなわち移動に関するエネルギーの消費を抑えることで少しでも戦闘時間を増やすことを鬼一は考えた。零落白夜の性質を考えれば少しでも戦闘時間を引き伸ばした方がメリットが大きいと考えたからだ。

「そうですわね。なら今後、織斑さんには訓練とその映像を元にベストだと考えられるエネルギー調整してもらいましょう」

 その言葉に一夏は頷きノートに記載する。今後の課題その1、スラスターのエネルギー調整による消費量減少、と。

「一夏さんの戦い方に関してですが、ちょっと考えがあります」

「なんだ鬼一、その考えって」

「考えというか基本方針ですね。今まで一夏さんは踏み込んで切る、もしくは打ち合ってそこから切る、という感じなのですが、まず、打ち合いから隙を見つけて切るという発想は捨てましょう。現状ほぼ無意味です」

 自身と一夏の試合を見ながら鬼一は断言する。打ち合いから隙を作るのは今後のことを考えると難しいと。

「へ?」

「どういうことだそれは!」

 間の抜けた声を出す一夏。そして鬼一の言葉に納得できないのか箒は声を荒げて問いかける。

 箒のそんな声も気にせずに2人に伝える。

「簡単です。そもそも『零落白夜』の存在を知っている人なら、ワンミスで敗北するのにそんなリスクを犯してまで打ち合う必要がないからですよ。ほとんどの人にとってそれは最後の手段になります。もし打ち合うという人がいるならそれは、一夏さんの比ではない、近接戦に絶対的な自信があり高いレベルの操縦者くらいです」

 織斑 千冬が使った『零落白夜』は全世界に公表されている単一使用能力だ。織斑 千冬の対策の中にはもちろん『零落白夜』も組み込まれている。1回のミスで決着に繋がる以上、絶対の自信がないなら徹底して形振り構わず近接戦を避けようとするだろう。

「純粋近接型に対して徹底的な対策を考えられている状況なのに、頑固に近接戦にこだわって白星を上げれる人は織斑先生クラス、とまでは言いすぎでし
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