11話
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人は他のクラスメイトが既にいなくなった1年1組の教室にいた。
今日はアリーナが他の生徒に使われている状態であり、自分たちが使えなかったので一夏の勉強を行うことにした。教室の利用許可は昨夜3人の密会の際に鬼一がちゃっかり取っていた。
鬼一は教壇の上に立っており隣にはセシリアが控えている。一夏は一番前の自分の席に座っていて机には真新しいノートが置かれている。箒は窓際の自分の席に座っていた。その表情は不機嫌さが露骨ににじみ出ており、隠そうともしていない。
鬼一は手元のタブレットを操作して一夏から見て左前に、鬼一やセシリアから見ると右に教室の大型モニターを表示させた。モニターに2つの動画が分割で表示される。セシリアとの試合と鬼一との試合だ。
鬼一を除く3人の視線がモニターに向けられる。
「ではこれから白式のデータや過去の試合映像を用いて、一夏さんが現実的に行えそうな戦略を考えていきたいと思います。この勉強会で思いついたことは全てISを用いた練習、実戦形式で試していきたいと思います。一見無駄に見えそうな方法でも、そこから新たなヒントが生まれることもあるので積極的にアイデアを出していきましょう」
その言葉に一夏とセシリアが頷く。一夏はノートを開いてペンを持って記入の準備を進めた。今回の勉強会は自分の為に開かれていると理解しているため、必死になって全てを糧にする、と一夏は心に決める。
停止状態だったモニターの映像が動き始める。
「まず確認していきますが、一夏さんは単一使用能力『零落白夜』を利用して攻撃していることに間違いないでしょうか?」
「ああ、千冬姉も言っていたから間違いないと思う」
「そうですか……。じゃあ質問ですが『零落白夜』のオンオフは可能ですか?」
零落白夜に使われるエネルギーはとにかく膨大なのだ。一撃で決着をつけることは出来るが、その破壊力に見合ったエネルギー消費は常に付いて回る。それなら必要な時だけ使えるようにすれば消耗を抑えられると考えた。
「いや、試してみたけどこっちじゃ切り替えの操作は出来なかった」
その言葉に鬼一は僅かに顔をしかめる。が、他に質問があるので続けて一夏に問いかける。
「次にエネルギーの消費についてですが、『零落白夜』に使われるエネルギーは攻撃の際のみですか?」
鬼一の問いかけに一夏は腕を組んで思い出すように思考する。
「……持っているだけで、だな。俺の勘違いじゃなければ常に起動していたと思う」
「ということは行動の全てに絡んでいる以上、通常よりも消費量が増えているということですか。なんて燃費の悪い……」
「当たれば勝ち、というのは分かりやすいですが些か極端過ぎますわね……」
一夏の答えに鬼一とセシリアは
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