暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
11話
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いのかくらいは予想できます。ISがあろうがなかろうとね。ざっくりとしていますけど、完璧なゼロからのスタートよりかは余程マシですよ。僕にしてもセシリアさんにしても映像やデータから弱点を見つけるのは可能でしょうし、それさえ分かれば最終的には負けていてもお互いにもっと価値のある試合に出来ていたと思います」

 もしこの状態で一夏の順番が初戦からだったらと考えると惨敗を喫していても不思議ではなかったし、情報を正しく運用出来ていれば一夏は精神的にもっと楽、余裕が生まれたと鬼一は思う。精神的に余裕が生まれれば体力を余計に削ることもなかっただろう。その結果、鬼一との試合は引き分けなどではなく勝利も充分にありえた。

「しかも一夏さんの試合は3人の中で一番最後の順番です。僕たち以上に情報を得ることは出来ましたし、逆に僕らは一夏さんの情報がギリギリまで分からなかった」

 現に鬼一は一夏の情報が少なすぎて、思い切りに欠けた判断を下さずにはいかなかった。結果、長期戦になり鬼一は一時とはいえ敗北に足を掛ける状態にまで追い詰められた。

「セシリアさんとの試合はともかく、僕との試合に関しては情報のメリットを活かしていれば勝っていたと思います」

 紛うことのない本音である。僕の状態や鬼神の状態を少なからず理解されていれば鬼一は敗北していたであろう。そう言う意味では鬼一の1位というのは薄氷のものであった。だが、大多数からすればその結果しか見ない。

「だけど、結果は最下位」

 蓋を開けてみれば一夏は最下位という競争の世界では不名誉の烙印を刻まれてしまった。

「正直、この結果は一夏さんの姿勢の甘さもあったと思いますが、ですがその責任の一部は貴方にもあります。一部とはいえ大きな責任がね。教えるという意識が少しでもあれば情報の大切さを説くのは当然です。何の知識もないスポーツに突然試合をさせて、しかも勝てと言っているようなものですよこれ。そしてそれを怠った段階で、貴方の指導官としての能力、まぁ能力というよりも意識の面は疑いますよ」

 その言葉に顔を赤く染め上げ、拳を震わせる箒。怒りの余り言葉に出来ないようだ。

 箒を落ち着かせる意味もあるのか千冬は近づいて出席簿で叩く。そして反対側の鬼一にも近づき言い過ぎだと咎めるように出席簿を振り下ろす。

「落ち着け馬鹿者ども。くだらん揉め事は結構だが他の生徒の時間も使っているのだ自重しろ」

 千冬はそのまま前に出て話の結論を話し、締める。

「クラス代表は織斑一夏。織斑のフォローに関しては3人でやれ。異存はないな」

 ―――そう、まとめるしかないよな。

 鬼一は人知れず小さく溜息をついて、頭をさすった。

――――――――――――

 放課後、鬼一、一夏、セシリア、箒の4
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