11話
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線を返している。
鬼一からすれば15そこらの小娘の怒りの視線など清涼剤みたいなものだ。
e-Sportsの世界にいた頃、周りの殆どは性別問わず年上であるし第1集団に至っては歳が10、20以上離れていることなど当たり前だった。そこにいた人間たちの視線はこんなものではなかったと鬼一は思う。中には殺し屋みたいな目つきをしたプレイヤーもいたし、負かしたときの相手の憤怒の表情は言葉にできないほど怖い。それに比べれば可愛いものだ。
「篠ノ之 箒さん、でしたね。今まで貴方が教えていたんですね」
その言葉に満足気な表情になる箒。当然だ、と言わんばかりの表情。
そして鬼一は一瞬でその表情を打ち砕く。
「だったら貴方は何を教えていたんですか? あんな試合をさせて一夏さんに申し訳ないと思わないんですか? もし疑問にも思わないなら貴方は今すぐ降りるべきだ」
その言葉に教室内が凍りつく。だがセシリアも鬼一の発言に頷く。
鬼一の発言に激昂したのか箒は鬼一に怒鳴りかける。
「どういう意味だ!?」
怒りの言葉を浴びせかけられても微塵も表情が揺るがない鬼一。
「だってそうでしょう? 多分貴方は一夏さんからISのことを教えて欲しい、などで頼まれたと思います。僕の知っている限りでは2人は剣道をしていたと思いますがそれ以外に何かしましたか?」
箒の代わりに一夏が疑問に答えた。
「いや、剣道以外になにもしていないぞ」
一夏の言葉に鬼一もセシリアも表情が歪む。信じられないと言わんばかりの表情。
僅かながらに怒りが宿った言葉で一夏に問いかける。
「……戦い方や勝ち方については一切触れていない、ということですか?」
鬼一の感情が揺れたことに僅かに怯える一夏。
「そうだ、な。それ以外にはなにも」
「ISもなにもなかったのだからしょうがないだろう!?」
鬼一は落ち着くように1度だけ深呼吸する。
そして静かに口を開いた。
「ISはなくてもやれることはあったでしょう。そもそも一夏さんはこの中で誰よりも戦略的アドバンテージを持っていたのに、それを活かそうともしなかったのですか?」
「鬼一、なんだよその、戦略的あどばんてーじって」
「簡単ですよ。要は情報面での優位性についてです」
一夏の問いに具体的な話をする。
「僕の鬼神もセシリアさんのブルーティアーズも情報が正式に公開されているんです。単純なスペックやら武装の一部が公開されている以上、それを知っておけばセシリアさんや僕との試合で焦ることも少なかったと思います」
鬼一から見て一夏の試合をそう分析する。
「情報があったのなら最低でも何をしてはいけないのか、何をさせてはいけな
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